今年のアカデミー賞では54歳のジュリアン・ムーアが初のオスカーを手にしましたが今、ハリウッドでは新進若手女優の活躍に注目が集まっています。

 1人目は、ムーアと共にオスカーにノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。映画「博士と彼女のセオリー」で、ホーキング博士を支える芯の強い妻を演じたジョーンズは、昨年末からの賞レースを席巻し、一躍その名をハリウッドに広めました。英国生まれのジョーンズは母国で数々のドラマや舞台に出演しながら、オックスフォード大学に進学した才女でもあります。11年にハリウッドに進出して出演した「今日、キミに会えたら」で、サンダンス映画祭特別審査員賞を受賞し、昨年は「アメイジング・スパイダーマン2」に抜擢。そして「博士と彼女のセオリー」では、各種映画賞にノミネートされ、2016年公開の人気映画シリーズ「スター・ウォーズ」のスピンオフ「ローグ・ワン」に主演することも決まっています。

 2人目は25日に日本公開されたディズニーの実写版「シンデレラ」の主役に大抜擢された、同じく英国出身の26歳のリリー・ジェームズ。2010年にドラマで女優デビューした無名のジェームズは、義理の妹役のオーディションを受けて見事主役に大抜擢されたという映画さながらのまさにシンデレラ・ガール。見た目の可憐な美しさはもちろん、内面からあふれ出すシンデレラ本来の美しさを見事に表現していると、その演技力も高い評価を受けています。共演するオスカー女優ケイト・ブランシェットやヘレナ・ボナム=カーターも絶賛しており、真のシンデレラになれるか今後の活躍が期待される若手女優の1人です。

 世界中で話題を集めた官能小説を映画化した「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」で主演したダコタ・ジョンソンも今注目される若手女優の一人です。2月に公開された同作はすでに続編の製作も決まっており、ジョンソンは一躍時の人となりました。女優メラニー・グリフィスと俳優ドン・ジョンソンの間に生まれた2世で、高校卒業後に女優のキャリアをスタートさせ、「ソーシャル・ネットワーク」(10年)や「21ジャンプストリート」(12年)「憧れのウェディング・ベル」(12年)などに出演。オーディションで見事にアナ役を勝ち取り、SMやヌードなど過激なシーンにも体当たりで挑戦して大ブレークを果たしました。

 ジョージ・クルーニー主演のウォルト・ディズニーが思い描いた未来を映画化した「トゥモローランド」に出演するブリット・ロバートソンは、25歳にして芸歴14年のベテラン。今年は同作以外にもクリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドと共演するラブストーリー「ザ・ロンゲスト・ライド」など、話題作の出演が目白押しで、彼女も今後の活躍が期待される若手女優の一人です。

 最後は年末公開予定の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」に大抜擢されたデイジー・リドリー。2年前にデビューしてテレビドラマ数本にゲスト出演しただけの新人ですが、今作ではヒロインのレイ役を演じています。これから公開に向けてメディアへの露出も増えるため、彼女の姿を目にする機会が増えそうです。今年のハリウッドのシンデレラ・ガールは彼女で決まりでしょう。

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