スポーツにも関心があるロンブー淳。特にマイナースポーツで頑張っている選手たちに興味があるという。ラグビーワールドカップを期に注目を浴びている五郎丸歩選手とも面識があった。今回は、選手への思いや東京五輪について聞いてみた。

 -最近のスポーツの話題はラグビー。五郎丸がすごい人気ですが、どう思いますか?

 淳 実は五郎丸は前から知っていたんです。

 -えっー!!

 淳 2年ぐらい前に自分のトークライブに来てもらったことがありました。だから、W杯での活躍はすっげえうれしかった。試合を見ながら、「行けーっ、五郎丸!」って思うもんね。そもそもはトークライブでお客さんにアンケートをとったときに「好きな選手がいるけれど、思いが伝えられない」と書いた女の子がいて、相手が誰か聞いたら「五郎丸」って言う。「五郎丸? 誰? それ名前?」って聞いたら名字だって言うんで、面白いと思って翌月のトークライブに呼ぶことにしたんです。探して連絡をとったら「ああ、いいですよ」と、二つ返事で来てくれた。

 -話をしてみた印象は?

 淳 何で出演依頼を受けてくれたんですかと聞いたら「ラグビーって面白いスポーツなのに、伝える場所がなかなかない。ちょっとでも話せて、ラグビーに興味を持ってくれる人がいるのなら、どこでも行きます」って。すげえ、と思いました。意気投合して、五郎丸がキックしてるシルエットのTシャツも作ったんですよ。

五郎丸がトークライブに来てくれたときに作ったTシャツ。キックの姿がデザインされている。インパルス板倉(中央)とニブンノゴ!の森本(右)(写真は本人提供)
五郎丸がトークライブに来てくれたときに作ったTシャツ。キックの姿がデザインされている。インパルス板倉(中央)とニブンノゴ!の森本(右)(写真は本人提供)

 それは彼の“闘い”でもあるんだよね。フィールドの中で戦い、外でも戦っている。競技の魅力を伝えたいと思って、選手が広報活動まで頑張っている。マイナー競技の選手には、そういう人たちがよくいるけれどホントに大変だと思う。でも、そうやって2つ頑張っている姿は本当に格好いいなぁ。

五郎丸はすごい!フィールドの内と外で戦っている(撮影・日刊スポーツ)
五郎丸はすごい!フィールドの内と外で戦っている(撮影・日刊スポーツ)

 今回のラグビーのように、本当は日の丸背負って結果を出すことが、その競技を知ってもらうためには一番いいんだよね。すげー強いらしいぞ、ってなれば見てもらえるから。それで、みんなメダルを目指すようになる。

 -ラグビーは競技人口も減って、危機感が強かった。

 淳 前に中竹さん(竜二=元早大監督)が僕のラジオの番組に出てくれて「日本でのW杯開催が決まっているのに、こんなに盛り上がらない国は日本ぐらいだ」って嘆いていました。そうなんだ、ラグビーって世界ではそんなに盛んなスポーツなんだ、と初めて知った。中竹さんみたいに広めたいと思ってくれるOBがいるスポーツはいいですよ。

 だいたい、多くの場合は協会がよくないと思うんですよね…(笑い)。ラグビー協会は会長を森さん(喜朗)がやっていた時点でうさんくさいですから(笑い)。前に自民党の総裁室に入る機会があったんだけど、歴代の総裁の写真が額に入って壁に飾ってあった。みんなスーツでビシッとしているのに、森さんだけラグビージャージーを着た写真で(笑い)。でも、本当にラグビーやっていたのは少しの期間だったんでしょ?

 -ケガもあったみたいですが、早稲田大学の1年の夏前に辞めているといいます。

 淳 そんなに早く辞めているんだ! もっとやっていると思っていたのに。やばい、コントロールされてますね(笑い)。ボクは夏合宿の最後の日まで頑張ってから退部届を出しているのになぁ…(笑い)。

 -バスケットボールも協会に問題が…。

 淳 ゴタゴタは完全に協会のせいじゃないですかねぇ。だいたい、2つリーグを作って、長い間もめてきたメリットって何だったんだろう…。結局、偉い人たちの思いだけで振り回されてきたんじゃないですかね。

 -犠牲になるのは選手たちですね。

 淳 そう。前に「淳の休日」っていうイベントで、ある時「バスケットをやらないか」って声をかけてみたんです。そうしたらプロ選手の折茂さん(武彦=レバンガ北海道選手兼オーナー)も来てくれて、スリーポイントを98%ぐらいの確率で決めるんですよ。生で見ると、プロってすごいんだな、ってあらためて感じた。

 そこで話を聞いたら、日本代表選手になると、普段よりお給料が下がっちゃうって言うんです。そういうことこそ協会がしっかりして、支援してほしいですよね。

 -海外遠征費を自己負担しているアマチュア選手も多いですから。

 淳 支援したいと思っている人は世間にたくさんいます。スポーツができない人は、スポーツを見て感動とか娯楽を求めるんだから。でも、支援が単純に選手のもとに行かないことが問題ですよね。直接支援ができるようなシステムがあれば、もっと支援は広がると思うんですけどね。すべての協会が悪いとは言わないけれど、選手のことではなく自分たちのことを考える協会ならいらないですよ。選手ありき、がないと困ります。

 -5年後には東京五輪がある。今までの五輪で思い出に残るシーンはありますか

 淳 水泳でおぼれそうになりながら泳ぎ切った選手がいましたよね(2000年シドニー五輪競泳男子100メートル自由形予選で最下位になった赤道ギニアのムサンバニ)。僕が泳ぎが下手なこともあるけれど、あのときは、すげーいいもん見た、っていう感じだった。スポーツって1位じゃなくてもいい。みんながメダルを目指すけれど、そうじゃない部分もあっていいよね。「あの選手はオリンピックに出られるレベルなのか」っていう人もいるけれど、いいじゃない。それぞれの国で、それぞれの人の中での“闘い”に勝ったから、あそこまで来たんだ。

金メダルもすごいが全てじゃない。マイナー競技こそ応援したい。(写真は本人提供)
金メダルもすごいが全てじゃない。マイナー競技こそ応援したい。(写真は本人提供)

 -東京五輪は、生で見に行きますか?

 淳 生でマイナースポーツを応援に行きますよ! カヌーとかいいなあ。ルールはよく知らないですけど(笑い)。盛り上がるスポーツは、放っておいても盛り上がる。でも、日の目を浴びないスポーツもある。僕がそれを理解してみんなに伝えられたらいいですよね。

 乗馬とかもいいですね。この前のオリンピックで、おじいさんがいたじゃないですか。すごいですよね。

 -法華津さんですね(1964年の東京五輪にも出場した。現在74歳現役)。2020年の東京五輪出場にも前向きらしいですよ。

 淳 ええええええっ! すごい! 目指してほしいですね。テレビはお金にならないとなかなか取り上げられないけれど、僕らは自由に応援できますからね。呼びかけて、みんなでマイナースポーツの選手のモチベーションを上げに行こう! とかできる。5年後に向けて、スポーツにもどんどん関わって行きたいですね。

 ※連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」は、ロンドンブーツ1号2号田村淳に、日刊スポーツの各分野の記者がさまざまなテーマで取材し、率直に話してもらう企画です。今回は「スポーツ」について、スポーツ部荻島弘一が取材しました。

(ニッカンスポーツ・コム連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)