冬の夜空に輝くオリオン座の1等星「ベテルギウス」が、従来より2~3倍大きく膨らんで見えたとする観測結果を、北見工業大などのチームが発表した。

 この星は、一生の最後に大爆発する「超新星爆発」が近いとされ、何らかの変化が起きたとみられる。ただ実際の星がこれほど急激に膨らむとは考えづらく、同大の三浦則明教授は「大爆発の前兆とは言えないだろう」としている。

 ベテルギウスは「冬の大三角形」の頂点の一つ。太陽系の中心にあれば、木星の軌道ほどになる大きさで「赤色超巨星」と呼ばれる。地球から640光年離れ、大爆発すると昼間でも見えるほど明るくなると予想される。

 チームは昨年11月、西はりま天文台(兵庫県)の望遠鏡で、光をさまざまな色に分けて観測。その結果、星や周囲のちりなどが見える緑の光の観測では1970年代の観測時より星の大きさが3倍に広がった。赤の光でも過去の観測と比べ約2倍の大きさになっていた。三浦教授は「何か変化が起こったのは確か。ベテルギウスで何が起こっているのか突き止めたい」と話している。