社会人入試制度で駒沢大仏教学部に合格した萩本欽一(73)が8日、東京・世田谷区の駒大で行われた入学式(午後の部)に出席した。黒スーツ姿で最前列に座り、約2000人の新入生と一緒に式典に臨んだ。最初こそ緊張の面持ちを見せたが、吹奏楽部の演奏に拍子を取るなどして大学生活の第1歩を踏み出した。

 終了後の会見には通学カバンをリュックサックのように背負って登場。「大学に通うのは、ボケ防止。年をとると忘れることがあるけど、学んでいけばプラスマイナスゼロ。すてきな出会いがあればいいね」と話した。また「このごろ同じ大学だっていう若い子に、よく声を掛けられる」と言い、「『同級生?』と聞いたら『先輩よ』だって。若い女の子と話す機会が増えていいね」と笑ったが、次の瞬間、背後の仏像に「すみません」と頭を下げた。

 大学内では、お笑いを封印する。「お笑いサークルだと教える立場だからね。大学では教わりたい」。制度上、芸能活動を続けながら野球部入部は不可能だが「何とか野球のユニホームが着たい。こういう風に言えば、学校も考えてくれるでしょう」と笑った。

 11日が初授業で第2外国語に選んだドイツ語。「『留年しないで』と言われているから頑張る。仕事優先だけど、掛け持ちくらい大丈夫。電車だと50分もかかるから、タクシーで来て、校門の100メートル手前で降りてテクテク歩きます」。同大には7学部17学科で約3800人が入学した。【小谷野俊哉】