指揮者の小澤征爾さん(79)が1日、2005年に自身が開校した若手音楽家のための音楽塾「小澤征爾スイス国際アカデミー」の塾生ら約25人を率いてパリで公演、力強いタクトさばきで聴衆を魅了し、会場に「ブラボー」の声が響いた。小澤さんの海外公演は昨年夏のスイス、フランス公演以来。

 小澤さんは体調不良のため6月28日のジュネーブでの演奏会を休演したが、この日のパリ公演では和やかな表情で、終始元気な様子だった。

 ベートーベンとグリーグの曲を指揮。白い髪を揺らしながら舞うように体全体を大きく動かす姿には若々しいエネルギーが感じられた。

 演奏が終わると、塾生ら一人一人と握手を交わし、会場からの大きな拍手と歓声に満面の笑みで応えていた。

 小澤さんは先月21日ごろから風邪をひいて体調を崩していた。3日もパリで公演を行い、10日ごろ帰国の予定。(共同)