宗教法人「法の華三法行」の元代表で、信者への詐欺罪で懲役12年の刑に服した福永法源氏(70)の半生を描いた映画「塀の中の神様」(高橋伴明監督、来年4月公開)が製作されており、18日、都内の東映撮影所で発表会見が行われた。福永氏は本人役で出演。

 「法の華三法行」被害弁護団だった紀藤正樹弁護士は、後継団体の「天華の救済」とは無関係を強調した福永氏が「復活祭」で発言した内容を踏まえ、同氏の半生を描く映画製作を批判した。

 「(出所後)イベントで自分がやったことは『詐欺じゃない』と発言し、『天華の救済』も公式に詐欺性を否定したが、やったことは宗教の名を借りた明らかな詐欺。何も反省せず、再犯の可能性がある人物を映画で描くこと自体、問題」

 さらに福永氏が天の声を聞く「天声」を使える唯一の存在として、個人崇拝されることが教団存続に不可分と指摘。映画が「天華の救済」の利益につながる可能性もあるとし、「教団関係者が出資した可能性もある」と推察。「映画は広報能力がある上、営利事業でやる以上、表現の自由といっても一定の社会性は必要。面白ければいいわけじゃない」と反発した。

 藤原慎二プロデューサーが会見後、「紀藤弁護士に、インタビューさせてもらう。ひと言、言いたいと言っているようだ」と語ったと聞き、「話も来ていない」と否定した。