女優波瑠(24)がヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「あさが来た」(月~土曜、午前8時)が5日、同大阪放送局のスタジオで撮影をすべて終了した。

 波瑠、夫役の玉木宏(36)ともども、10カ月に及んだ収録を完走し、涙のフィナーレとなった。

 「無事に終わって…鼻水たれてますけど(笑い)。最後の(収録)場面も涙だったので、いったい(クランクアップ時の涙は)何の涙か分からなかったです」

 目と鼻を赤くした波瑠は、満面笑みでクランクアップのくす玉割りを浴びた。

 初の幕末スタートの時代劇。波瑠が女性実業家の広岡浅子さんをモデルにしたヒロインあさを好演。働き者の嫁を陰に日向に支えた“風来坊”夫を玉木も熱演。視聴率は、依然として24%前後(関東地区)をキープしている。ディーン・フジオカ演じた“五代さまブーム”も手伝って、2月27日(第21週)放送分まで、126回平均で23・4%をマークする。

 現状維持が続けば、NHKによると「今世紀最高フィニッシュ」が見えているという。21世紀に入ってからの朝ドラでは、02年「さくら」の23・3%が最高。残り6週を残して、今世紀首位を堅持したままのクランクアップとなった。

 「好調と言っていただけるのはありがたいですけど、私たちにできることは、いい演技をすることで、そういう意味では、私のやることはもう終わったかなと思います」

 波瑠は、充実感いっぱいの表情で手ごたえを語った。「体重計がないので、数字は測ってない」と言いながらも「毎日が闘いで、もう体重は減りましたね。肉体がそぎ落とされた感じ」とも明かした。

 そんな波瑠に、玉木は「10カ月の合宿のような朝ドラ収録。僕たちは(ドラマ作りの)最先端にいるようで、実は末端。きっと(波瑠も)忍耐力がついたと思う」。高視聴率の期待に耐えながらの完走を果たしたヒロインを思いやった。

 この日のクランクアップセレモニーには、ヒロインの姉夫婦を演じた宮崎あおい(30)柄本佑(29)ら、総勢10人が参加。最終収録の場面は、過去の朝ドラ収録の例を見れば、異例の非公開となった。

 佐野元彦エグゼクティブ・プロデューサーは「どこまで描くのか、最後までドキドキしてもらいたいので、秘密にさせてもらいました」と説明。その内容は「けっこうすごいところまで、最後はいかせてもらいました」とニヤリ、笑った。

 時代が変わるのか? との問いには「けっこう鋭い…」と苦笑しつつ、今世紀最高フィニッシュへまだまだ策は打っていく。

 今月26日からの最終週には、主題歌「365日の紙飛行機」を歌うAKB48出身の大島優子(27)を平塚らいてう(らいちょう)役で出演させ、波瑠演じるヒロインとのバトルも描く。

 通常、半年続く朝ドラの最終盤といえば、ヒロインをねぎらい、振り返る内容だが、ギリギリまで、ヒロインにたてつく人物を登場させるという。佐野氏は「最後までグングン、展開がたいへんなことになります」と予告していた。最終回は4月2日の予定。

(数字はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)