米歌手クリス・ハート(31)が30日、東京・日本武道館で全国ツアー最終公演を行った。自身初の武道館で、満員の8000人が集まった。5月1日がCDデビュー3周年の記念日で、「みなさんのおかげで3年。CDも出せて、47都道府県ツアーもできて、今日もライブができる。本当に感謝しています」と頭を下げた。

 アンコールでは、米サンフランシスコから初めて来日した父ラスさん(58)母スーサさん(58)をステージに呼び込んだ。両親は若いころ、ミュージシャンを目指していたが、夢より子育てを選び、父は警察官、母はIT企業で働き始めたという。「2人の夢の続きとして、僕はずっと頑張りたいと思っていた。今日このすばらしいステージに両親と立てて、夢がかないました」。両親への思いをつづった「memento」を弾き語りで披露したが、曲の途中で感極まり、声を詰まらせる場面もあった。

 ツアーファイナルとあって、ゲストも豪華だった。テレビ番組で共演し、親交が深い森山良子が手紙の朗読で出演。終盤にはMay J.もステージに上がり、「I Believe~手をつなごう~」をデュエットした。「大変なことが起こったときこそ、手をつないで頑張ろうという歌。九州への応援を込めて歌います」。熊本地震の被災者へのエールも届けた。

 昨年5月からは、ダイエットを始めたことを明かした。「18キロやせました。我慢して、我慢して、おいしいものを我慢して、やせました」と告白し、客席をどよめかせた。洋楽コーナーでは、マイケル・ジャクソンの「Beat It」を歌った。スリムになったボディーで、軽快なムーンウオークを披露。意外な特技も見せ、ファンを喜ばせていた。

 ツアーは昨年9月から47都道府県を回った。全49公演を完売し、合計9万5000人を動員した。