演歌歌手でプロの陶芸家でもある岩本公水(41)が11日、埼玉・小川町にある自らの陶芸工房「陶工房 凜」に新窯を設置し、窯開きを行った。

 高さ約150センチで重量約2トンの電気窯を前に作務衣(さむえ)姿で立ち、「陶芸家と演歌歌手を車の両輪として、どちらも大切にしていきたい」と笑顔で語った。

 陶芸に興味を持ったのは99年。初の1人暮らしで自炊をするようになり、「料理を盛りつける器を自分で作りたいと思うようになったのがきっかけ」という。やがて、陶芸教室に通いはじめ、どんどんと魅力にはまっていった。

 05年から約2年、体調を崩して歌うことを止めていた時に、本格的にのめりこんだ。10年からは毎年、プロの陶芸家として陶芸展を開催。岩本のことを歌手と知らない人までが、全国から陶器を買い求めた。「カエルとかイノシシの形にするなど、私の作品は実用的というよりも楽しめるものが多い。箸置きからコップ、花器、ランプシュートなどいろいろな作品をこれまでに1万点以上を作ってきた」という。

 陶芸の魅力を聞くと「土をこねたり色を塗ったりと、1人で黙々と作業をする音のない世界。歌とは正反対で、それがすごく心地よい」と説明。オンとオフの切り替えのように、陶芸と歌の両方にとってプラスになっているようだ。

 今年2月に発売した新曲「面白山の滝」が約3万枚出荷のスマッシュヒット中。「久しぶりに大きな手応えを感じています」。

 95年にデビューをして、97年にNHK紅白歌合戦に初出場。歌手としても、2度目の紅白出場を目指してもう一花、咲かせたいと願っている。