昨年の「M-1グランプリ」王者、銀シャリが27日、大阪・なんばグランド花月で行われた「M-1グランプリ2016リターンズ」の中で、賞金1000万円の贈呈式に臨んだが、鰻和弘(33)は舞台上で借金を取り立てられ、わずか10万円しか手元に残らなかった。

 NGKの舞台上には、1万円札500枚が入った目録が2点。鰻と、橋本直(36)の2人は、折半で500万円ずつを手にするはずだった。進行の陣内智則がまず、橋本に目録を贈呈。そして、鰻の番になると、陣内がおもむろに目録の中から現金を取り出した。

 陣内は「お前、新婚旅行で会社に380万円借りて、笑い飯の哲夫に20万円借りてるな。源泉徴収引いたら、残りこれだけや」と言い、鰻には1万円札10枚を贈呈した。

 ぼうぜんとした鰻は「まさか…なんでこんなこと、するんですか…」と絶句。悲嘆した表情のまま、イベントは終演した。幕が下りた後、取材に応じた鰻は「いや、マジですか…。ほんま、きついです…」と、泣きだしそうな表情で話し始めた。

 というのも、500万円の賞金を見込み「親に100万円やるって言ってたし、嫁には新しいDVDを買う約束をしてた」そうで、10万円ではどうしようもない。「会社にまた借りないかんやん」とつぶやき、肩を落とした。

 そもそもこの日、鰻はついてなかったという。

 贈呈式の直前、別の賞金でもらったビール券を相方と分けようと「人前では格好悪いから、トイレにこもって分けてた」ところ、手がすべり、券がバラバラになり、ほぼ便器の中へ落ちた。「いや、もう、だいぶ拾いましたけど、ベタベタで、今日はなんか嫌な予感してたんですよね」と愚痴ることしきりだった。

 一方、満額500万円を手にした橋本は「そうそう、鰻、ついてないんですわ。ま、ビールだけに泡と消えましたね」と、うまいつっこみに、自らも「うまいでしょ」とご満悦だった。