女優多部未華子(28)が舞台「オーランドー」(9月23日~10月9日、KAAT神奈川芸術劇場)に主演し、美貌の青年貴族で、一夜にして女性になってしまう数奇な人生を送る主人公オーランドーを演じることが4月30日、分かった。男性と女性の2役を演じるが、多部にとって男性役は初めて。

 このほど都内のスタジオでチラシやパンフレット用の写真撮影を行った多部は、日刊スポーツの取材に応じた。性別、時を超えて生きるオーランドーを演じることについて「確かに男性役は初めてですね。難しいキャラクターだと思いますが、人間として共感できる部分を考えて、性別を意識せず演じたい」と話した。現在は台本を読んでいる段階で「稽古場で生まれるものを大事にしたい」と、イメージを固めすぎずに挑みたいとしている。

 演出はKAAT芸術監督の白井晃氏。多部は「白井さんとは以前からご一緒したいと思っていました。すごく楽しみです」。

 小日向文世、戸次重幸、池田鉄洋、野間口徹の男性キャストも年代、性別の異なる複数の人物を演じ分ける。エリザベス1世、郷士を演じる小日向は、舞台初共演の多部について「とても利発で頭の回転が速い方。舞台でどのようなアプローチをしてくるのか、ボールの投げ合いで今から楽しみですし、稽古でいろんな挑戦したい。きっと楽しい舞台が出来上がるという予感がします」と期待している。小芝風花も出演。

 東京・新国立劇場のほか、松本、兵庫公演も。

 ◆オーランドー 20世紀前半に活躍したイギリスの女性作家バージニア・ウルフの小説が原作で、日本では初の舞台化。16世紀のイングランドに生まれたオーランドー(多部未華子)は、エリザベス1世(小日向文世)ら多くの女性をとりこにする。しかし、ロシアのサーシャ姫(小芝風花)に失恋し、傷心のオーランドーはトルコに渡る。数々の女性と浮名を流すが、ある朝、目覚めると女性になっていた。そして18世紀、19世紀…と生き続ける。