21日発売の「週刊新潮」が報じている、芸能事務所の元社員が社長からうけた壮絶なパワハラについて22日、元社員の被害者A氏が記者会見を開いた。

代理人弁護士を務めるレイ法律事務所の河西邦剛弁護士と森伸恵弁護士同席の元、A氏は加害者のY社長について「罪を償ってほしいと思っている。法的な処置をとっていただけたら」と訴えた。

会見後、渋谷警察署に刑事告訴するために向かうという。また、今後、損害賠償請求も行っていくという。

この日、配布された資料などによるとA氏は14年8月ごろ、ファッション誌「Popteen」の元モデルなどが所属する渋谷区内に本店を置く芸能プロダクションに入社。事件は15年12月20日の忘年会に起こった。加害者はこの芸能事務所のY社長で、A氏はY社長に頭を押さえられ、しゃぶしゃぶ鍋に顔をつけられるという衝撃のパワハラだった。

顔面にやけどを負ったA氏の診断名は顔面第2度熱傷、皮膚感染症、湿疹だったという。顔にやけどの痕が残るA氏は後遺症について「夏になると日焼けして肌のかゆみなどがでたり、乾燥でかゆみがでる。鍋を見ると思い出したりする。忘年会シーズンになるとフラッシュバックして出てくる」と思いを語った。

A氏は他にも、半日正座させながらのパソコン業務や、顔を殴られるなど、パワハラや暴行と評価される行為をY社長に受けていたと訴えている。

この日、配布された資料にはしゃぶしゃぶ店でのやりとりが克明にしるされていた。

◆15年12月20日

被害者A氏 できない。

Y社長 じゃあ飲め。

Y社長が横からA氏が飲むレモンサワーピッチャーの底を持ち上げる→Y社長が手でA氏の首をつかみ、沸騰しているしゃぶしゃぶ鍋にA氏の顔を押し込む→1回目に押し込んだ後、Y社長は右手でA氏の首付近、左手でA氏の左上腕部付近をつかむ→Y社長は右手でA氏の首付近をつかむ。その状態でA氏は顔を鍋の方に近づけていく。そして、その瞬間、A氏の首をつかんでいた右手を頭の方にずらし、A氏の頭部を鍋に押し込む→A氏の顔面は正面から鍋の液体に接触→A氏が鍋の熱さに耐えられず頭部を手前の方にずらすも、Y社長はすぐには右手を離さず→A氏の動きによって鍋がずれ込み液体が鍋からこぼれる。

A氏はその後、正座した状態だった。Y社長から特に謝罪の言葉はなかった。

1次会の終盤の午後11時ごろ、Y社長「帰った方がいいよ。顔ほんとやばいから帰った方がいい」との発言。

◆同21日明け方

友人に連れられA氏は救急外来に行き応急処置。診断名は顔面第2度熱傷、皮膚感染症、湿疹。

同日昼ごろ、自宅に戻るとY社長がA氏の自宅を訪問。Y社長「お前、自分から顔突っ込んだよな?」「何日後くらいから仕事できるの? 2~3日後にはできるでしょ?」。A氏は「無理です。空気感染とかもあるんで」と返答。その後、A氏は治療のため2~3週間仕事を休んだ。

◆16年1月

1月分の給料は7万2569円(源泉徴収前が8万円)。それ以降も数カ月、月8万円の給料が続く。

◆17年1月、A氏が退社。