石原裕次郎さんの代表作を初めて舞台化した「黒部の太陽」(10月5~26日、大阪・梅田芸術劇場)の特殊舞台装置が17日、茨城・つくば熊谷組技術研究所で公開された。最大の難関だった大町トンネルの工事で高圧地下水が噴出する破砕帯の突破シーンを再現するため、ステージ上で実際に水を流してリアリティーを出す。「舞台の限界に挑む」を合言葉に総制作費1億円を投じ、映画に負けないスケール感を演出する。

 クライマックスを盛り上げる出水で放出する水の量は計40トン。舞台上に再現した高さ6メートル、幅12メートル、奥行き8メートルのトンネルセットに20台のポンプで毎分10トンの水を放出できる装置で約4分間、水を流し続けると、壇上は激しい水しぶきで濃霧に包まれた。一般的な舞台の豪雨シーンで使う量は平均2トン。