「高相法子です。無職です」。覚せい剤取締法違反の罪に問われ、26日の東京地裁の初公判に姿を見せた酒井法子被告(38)。「のりピー」の愛称で親しまれた元トップアイドルは、ドラマのせりふを読むかのようにはっきりとした口調で罪を認めた。一方で、自身の将来や更生の誓いに及ぶと、涙声に変わり、離婚話にも触れた。

 上着とスカートにタイツ、パンプスまで黒一色。髪の一部を後ろで結び、白いハンカチを握り締め、何度も頭を下げながら入廷した。

 証言台では背筋を伸ばし、はっきりした声で起訴内容を認め、弁護側の被告人質問では「夫が勧めたが、わたしの意思で使用した」「夫が手に入れたが、わたし自身が所持していた」「悪いのはわたし」と、繰り返し自らを責めた。

 「当時は朝も昼も夜も忙しく肉体的にも精神的にも疲れていた」「期待されると頑張りすぎる性格で、好奇心もあった」。

 暗記したかのように能弁に答える酒井被告。だが、今後の更生について聞かれると、一転、消え入るような声に。涙を流し「夫と話し合い、離婚し…」と言葉を詰まらせた。

 検察側から逮捕前に逃走した理由を問われると「なぜあのような行動を起こしたのか、情けなく思う」と答え、「覚せい剤を使ったことで多くの方の信用を失った。なぜやめることができなかったのか後悔している」とうなだれた。

 閉廷後、酒井被告は満員の傍聴席に深々と一礼し、無言で法廷を後にした。

 [2009年10月26日23時4分]ソーシャルブックマーク