演歌歌手北島三郎(77)が21日、46年間続けてきた1カ月規模の大劇場公演活動にピリオドを打つことを発表した。 都内で行われた「北島三郎最終公演」制作発表会見に出席。今年8月31日から9月28日まで東京・明治座、11月の大阪・新歌舞伎座、来年1月に福岡・博多座の公演をもって区切りをつける。

 決断の理由について、北島は「自分で決めたことなんです。芸能活動50年を過ぎたころから考えていた。決めたのは今年明けてから」と明かした。

 「ひと月の公演は、引退ではなく、線を引いてみたくなった。ズルズルして、はっきりしてないのは嫌なものですから。昨年末の紅白で1つの線を引いたように、今年終わったらお世話になった劇場にもひとまず線を引かせてもらいます」

 1968年(昭43)に東京・新宿コマ劇場で行われた初座長公演から46年が経過した。通算公演回数は現在4468回で、今回の公演予定数を含めると4578回となる。「つくづくご来場のみなさまや、劇場関係者様に感謝。感無量でございます」と話し、「体のほうは全然大丈夫。丈夫に産んでくれたおやじとおふくろに感謝です」と笑った。

 今後については「あとは死ぬだけです。歌い続けて」と笑わせた。

 「10月には78歳になるわけです。いろんな先輩方の歩いてきた道を見ると、生かされている気がするんです。この道を歩いて、たとえば地方で恩返しの舞台を1日公演という形でやらせていただければ。元気のいいうちに、悔いなく。やる気十分です。頑張ります」

 また、残る各公演では、娘で女優の水町レイコ(39)と、娘婿で演歌歌手の北山たけし(40)も共演する。北山は演技初挑戦で「不安もあります。北島三郎師匠の背中を見て、精いっぱい頑張りたい」と話したが、北島は師匠の立場から「北山に関してはお芝居はちょっと心配なんですね。でも、心配なところがまたいいんじゃないかな。頼りないところがまた北山らしいんじゃないかな。浅太郎の役なんだけど、『昼太郎』にならなきゃいいけど」とフォローした。