スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(65)が29日、都内で行われた米映画「her

 世界でひとつの彼女」(スパイク・ジョーンズ監督、6月28日公開)公開記念トークイベントに参加した。

 最新作「思い出のマーニー」(米林宏昌監督、7月19日公開)製作の真っ最中で「本当は僕、ここにいてはいけない。『思い出のマーニー』を作っているので。でも、僕はスパイクのファンなので来ました」と笑顔であいさつした。

 「her-」は、今年の米アカデミー賞作品賞受賞作で、主人公の男性がパソコンに仕込まれた人工知能に恋する物語。鈴木プロデューサーは、「風立ちぬ」が長編アニメーション賞を逃したアカデミー賞授賞式を振り返り「僕は座席に座っていて、彼は舞台に上がってスピーチをしていた。うらやましいと思った」と振り返った。作品については「僕は普通の人間がコンピューターに恋するのかと思って見たら、話が成立してた」と作品を高く評価した。

 逆にジョーンズ監督からは「『千と千尋の神隠し』も、不思議な世界に入り込んだ少女が、不思議な力を出す物語…少し似ていると思うのですが」と突っ込まれた。鈴木プロデューサーは「言われてみると、そうかな。でも(ジョーンズ監督の作品の方が、話の)爆発に狂気がある」と感想を語った。

 鈴木プロデューサーは最後に「ジブリも面白いけど『her-』はもっと面白いです」と観客にアピールした。一方、ジョーンズ監督は「そんなことないです。鈴木さんの作務衣(さむえ)姿も大好きです」と褒め言葉で返した。