第38回山路ふみ子映画賞の贈呈式が28日、東京・新橋のヤクルトホールで行われ、女優富司純子(68)が映画功労賞を受賞した。

 「舞妓はレディ」(周防正行監督)では、京都の茶屋のおかみを演じ、日本女性の伝統的な美しさを表現したと評価された。周防監督が文化賞、主演の上白石萌音が新人女優賞を受賞。さらに、08年の出演作「明日への遺言」のメガホンを取った小泉堯史監督もこの日、「蜩ノ記」で映画賞を受賞し、式に出席。自分と関わりの深い3人との同日表彰に、富司は「小泉監督、周防監督、萌音ちゃんと同じ舞台でこのような栄えある賞をいただけて、この上ない幸せ」と喜んだ。

 ところが、客席の観覧者から「最も好きな作品は」と問われると、答えに窮した。「おふたりがいらっしゃって、申し訳ないんですけれど(降旗康男監督の)『あ・うん』が好きです。私の宝物です」。

 「あ・うん」は10日悪性リンパ腫で死去した高倉健さん(享年83)との最後の共演作でもあったが、高倉さんについては触れなかった。