映画「悼む人」の一般試写会が23日、大阪市内で行われ、主演の高良健吾(27)共演の石田ゆり子(45)と堤幸彦監督(59)が舞台あいさつを行った。

 天童荒太の直木賞受賞作の映画化で、全国の事件・事故現場に足を運び、不慮の死を遂げた人の“想い”をくみ取る青年と、彼にかかわっていく人の姿を描くが、この日の3人全員にとって、エポックメーキング的な作品になったようだ。

 高良は主人公がなぜ見知らぬ人を悼んで回るのか、不思議な死生観にあふれた内容を把握した上で、充実した撮影を過ごした様子。「(デビュー)10年目の1発目が、この作品でうれしかった。この映画に出てくる人は、みんな答えが見つかっていないけど、そういう映画なんだと思う。見終わって時間が経った時、みなさんの中で、この映画は育ってくれていると思います」。

 石田は殴られたり、雨の中でずぶぬれになったり、濃厚な絡みがあったり、厳しい演技ばかりの役柄だが「原作を読んだ時、これが映像化されるなら、ぜひやりたいと思った。初めて立候補した映画です」と思い入れたっぷりに語った。

 堤監督も「僕は今年、還暦です。おかげさまで映画を40本以上撮らせてもらってきて、一区切りのタイミングでこの作品。今後生きていく上で必要な、記念碑的な作品になりました」と話していた。