朝日新聞社とテレビ朝日は6日、会見を行いメディアグループとしての総合力を高めるため、資本・業務両面での提携関係を大幅に強化すると発表した。テレビ朝日が、朝日新聞社の創業家である村山美知子社主から朝日新聞株11・88%(38万株)を取得し、第4位の大株主になる。両社は株式を相互で持ち合う関係となり、新たな情報通信関連企業との提携も検討する。

 テレビ朝日の君和田正夫社長は「勝ち残るため提携を深めたい」と強調。朝日新聞社と国内外の取材拠点を統合したり、記事の融通などの方針を示した。

 また、朝日新聞社の秋山耿太郎社長は、会社法の規定に従い、テレビ朝日の朝日新聞社に対する議決権を確保するため、朝日新聞社が保有するテレビ朝日株の保有比率(子会社持ち分を含む)を35・92%から9月末までに25%未満に引き下げると表明した。朝日新聞社はこの日、村山社主にテレビ朝日株5万300株を譲渡したため、残りは約6%。君和田社長は情報通信関連の新たな提携相手が、テレビ朝日株の譲渡先の「1つの候補になる」と述べた。

 両社によると、朝日新聞社内では同社株は1株1600円とされているが、テレビ朝日は村山社主から1株6万3000円で取得。村山社主はこれとは別に、創業家とゆかりのある財団法人に保有株の一部を寄付し、同社株の保有比率は36・46%から14・61%になった。