俳優清水健太郎(本名・園田巌)容疑者(56)が10月31日までに、自動車運転過失致傷と道交法違反(ひき逃げ)で警視庁浅草署に逮捕された。東京・台東区内の路上で乗用車を運転中、31歳の男性会社員をはねて軽傷を負わせ、逃走。30日夕方に出頭した。清水容疑者は過去4回、大麻や覚せい剤で逮捕されている。

 調べによると、清水容疑者は10月27日午後4時5分ごろ、東京都台東区浅草2丁目の交差点から国際通りに出ようとした際、一時停止を怠って漫然と左折、自転車で左側から横断していた男性に左前部をぶつけた。横転した男性の胸、腰、左ひざ、両肩にけがをさせたが、その救護も警察への事故連絡もせずに逃走した疑い。

 浅草署では付近に看板を立てるなどして目撃情報を集めていた。近くの駐車場の防犯カメラにもひき逃げの模様が撮影されていた。これらの情報から乗用車のナンバーを割り出したところ、清水容疑者が関与した可能性があるとみて捜査を進めていた。

 30日夕方になって自ら出頭。ひき逃げ事故について供述したため、同日午後10時15分に逮捕された。「友人に事故のことを相談したら、『つかまるから出頭した方がいい』と言われた」と話しているという。

 清水容疑者は1976年(昭51)に「失恋レストラン」で歌手デビュー。同年のレコード大賞新人賞を受賞し、NHK紅白歌合戦にも出場した。

 ところが、83年4月に自宅の居間から大麻たばこが見つかり大麻不法所持で現行犯逮捕(起訴猶予)されたのをはじめ、4度、大麻や覚せい剤取締法違反で逮捕され、実刑判決も受けていた。逮捕のたびにタイミングをみて芸能界に復帰し、映画やビデオに出演していた。06年5月の出所後は、千葉県内のキックボクシングジムの会長が身元引き受け人になったことから、格闘技界入りが報じられたこともあった。