小室哲哉容疑者逮捕、悪質手口明るみに
90年代に音楽シーンを席巻した音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者(49)が4日、自作曲の著作権の譲渡話を持ちかけ、兵庫県芦屋市の投資家男性から5億円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。同容疑者は「謝罪したい」と容疑を認めた。かつて仕手戦の舞台となった投資・建設事業の持ち株会社から小室容疑者は年60%にも上る“高利融資”を受け、5億円のうち約3億3000万円はこの融資の返済に充てられていた。また今回の一連の事件がきっかけで、小室容疑者が妻KEIKO(36=現KCO)と離婚していたとみられることも分かった。
小室容疑者はこの日、自ら役員を務めるプロダクション「トライバルキックス」(東京)の代表取締役平根昭彦(45)、監査役木村隆(56)の両容疑者とともに大阪地検に逮捕された。調べに対し小室容疑者は「3人でやったことに間違いない。申し開きすることはない。反省し被害者に謝罪したい。刑事責任を潔く取るつもりだ」と供述しているという。
さらに、小室容疑者が、かつて仕手戦の舞台となった投資・建設事業持ち株会社から“高利融資”を受け、その5カ月後に今回の詐欺事件を起こしていたこともこの日、分かった。5億円のうち約3億3000万円はこの融資の返済に充てられていた。
木村容疑者は「月利5%という持ち株会社からの借金を返すために著作権の譲渡先を探していた」と説明。特捜部は単利でも年60%に上る実質的な「借入金」の返済に切迫した小室容疑者が主導したとみて調べる。
関係者によると、小室容疑者が“融資”を受けたのはA・Cホールディングス(東京、旧南野建設)。旧南野建設は、「最後の大物仕手筋」と言われた西田晴夫被告(58)が07年に逮捕された株価操縦事件の舞台となった。A・Cホールディングスは「当時の担当が分からず、答えようがない」としている。
また小室容疑者が妻のKCOと離婚していたとみられることも、この日までに分かった。2人に近い関係者は本紙の取材に「2人は既に離婚している」と語った。今回の事件で、大分県臼杵市で料亭を営むKCOの母親(61)に対し昨夏、被害にあったとされる男性投資家から「小室が金を返さない」と電話があったという。母親がKCOに伝えると、事務所を通じて「安心してほしい」と説明されたという。だが、この借金が原因で、02年の結婚から6年で夫婦関係にピリオドを打ったようだ。
特捜部の調べによると、小室容疑者らは06年8月、これまでの作品806曲分の著作権について、既に音楽出版社に34曲譲渡し、うち主要12曲はト社に譲渡するなどしていたのに「過去の作品806曲がフルセットになっていることに意味があるし価値が出る」などとうそを言って、10億円で売却する契約を兵庫県芦屋市の投資家男性と締結。さらに、前妻の歌手吉田麻美に差し押さえられていた印税の権利について、解除する意思がなかったが、解除代金として計5億円を支払わせ、だまし取った疑い。
男性との交渉過程では「これでも名の知れた男。逃げも隠れもしない」とかつての知名度を信用させ、説得。さらに男性のために自ら曲を作り「世界で1つの曲」としてCDにしてプレゼント。「小室サウンド」で相手を手玉に取ったテクニックも明らかになった。
[2008年11月5日8時2分 紙面から]
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