飼い犬の落としたふんの始末でトラブルとなった男性の胸を片手で押したとして、警視庁本所署が暴行の疑いで、大相撲の元大関でタレントKONISHIKI(47)を書類送検していたことが14日、分かった。送検容疑は11月12日、妻と犬の散歩中、男性の住むビルの前に犬がふんを落としたことからトラブルとなり、暴行に及んだというもの。KONISHIKIは「奥さんがいちゃもんをつけられたので守るために押した」と容疑を認めている。

 東京都墨田区石原の路上で、KONISHIKIが現役時代に得意としていた“プッシュ”を繰り出した。相手は30代の一般男性。11月12日午前10時11分、その男性が本所署に怒りの110番通報をしていた。

 本所署によると、KONISHIKIは妻と一緒に愛犬の散歩をしていた。自宅から直線で約400メートル。犬は2匹でともにオスのゴールデンレトリバーで、2人は1匹ずつ首輪から伸びたロープを握っていた。妻側の犬が路上にふんを落としたことを、夫妻は気付かなかったが、自宅から男性が一部始終を見ていた。

 KONISHIKIの事務所によると、男性は即座に夫婦に近寄り「犬がウンコしただろう」と迫った。妻が「普段はこんなことはしないのに、ごめんなさい」と謝ってふんを処理していると、男性は「早く(ふんを)とってよ」などと処理を促した。その際に男性が妻に接触するようなそぶりを見せたことでKONISHIKIが切れた。「ウチの奥さんに何するんだぁ」。片手の「パー」で男性の胸部分を押したという。

 本所署によると、男性はよろけたものの倒れるほどではなかった。その直後に110番通報した。男性は無傷だったが、元大関に押されたことに憤慨し、その日のうちに被害届を同署に提出した。後日、KONISHIKI夫妻は任意で聴取された。KONISHIKIは単純暴行の容疑事実を認めた上で「奥さんがいちゃもんをつけられたから守るために押した」と話している。今月8日に東京区検に書類送検された。

 男性側は「謝罪はまだない。このことはあまり話したくない」とした。近所に住む主婦は「コニちゃんは大きいからすぐ分かるのよ。目が合うと笑ってあいさつしてくれていい雰囲気よ」と話した。KONISHIKIは14日、岩手県陸前高田市で被災地ボランティア活動をしていた。プライベートで訪れ、サンタクロースのコスプレで子どもらを励ましていたという。