北朝鮮で公演を行った際に金正日総書記と会ったというイリュージョニストのプリンセス天功(年齢未公表)は19日、「こんなに早く亡くなるなんて」と、総書記死去の報道に驚きを隠さなかった。公式、非公式を含めて何十回も会っており、「ざっくばらんな方で、日本のこともよく知っていた」という。後継者とみられる三男の金正恩氏とも会っているが、「礼儀正しく、しっかりした子どもだった」と話した。
天功は、98年と00年の2回、北朝鮮に正式に招待され、平壌で公演を行った。いずれの公演時にも、金総書記と対面した。
「すごくざっくばらんな方で、欧米人のようにフランクでした。朝鮮語だけでなく、英語、ロシア語、日本語を交えて話し、日本のこともよく知っていました。ただ、急に怒ったり、笑ったりして、おそばの人を大きな声で怒鳴ることもあった」
98年、00年ともに10日ほどの滞在予定だったが、天功を気に入ったのか、金総書記から「帰さない」と言われ、滞在が1カ月以上となった。宿泊先もホテルではなく、専用の家が用意されたという。毎日のようにパーティーに招待され、外国の要人に紹介され、自宅にも招かれた。
「豪華な家で、北朝鮮の食事が少し合わない私のために奥さま手作りパンケーキも食べました」。後継者とされる金正恩氏とも会ったという。「報道されないお子さんも何人かいたけれど、正恩さんは礼儀正しく、しっかりしていた」。
公演では、水槽大脱出を試みた。金総書記は、「北朝鮮の水では、日本の水になじんでいるあなたの肌が荒れてしまう」と言って、急きょ2トン分のミネラルウオーター「エビアン」を用意。トラックに詰め込まれたペットボトルのエビアンを大勢の人が1本ずつ水槽に入れる人海戦術で、本番ぎりぎりに満杯になったという。
北朝鮮訪問は公式には2回。しかしその後も非公式に数回招かれ、総書記と会ったという。「ダイヤモンドやルビーなど宝石をちりばめた等身大の私の肖像画や、白磁器や刺しゅう画などのおみやげでコンテナがいっぱいになった」。北朝鮮の貴重な天然記念動物「豊山犬」を譲られ、総書記自らが「大山(テサン)」と命名したという。
天功によれば、総書記と会う時はいつも、医師と看護師の医療チームが付き添っており、万全の態勢が敷かれていたはずだという。「だから、こんなに早く亡くなるとは思わなかった。列車の中で急死するなんて、何かおかしいと思います」と急死に疑問を投げかけていた。




