<連載「気になリスト」(74)>

 4人組ロックバンドのWHITE

 ASHが、5月22日にシングル「Velocity」でメジャーデビューする。ボーカルはのび太。名前からは想像できないような攻撃的で妖艶な歌声が話題になっている。昨年7月発売のファーストアルバムがインディーズ1位になり、先月14日発売のシングル「Would

 You

 Be

 My

 Valentine?」がオリコンデーリー12位に入った。

 のび太は、天然パーマでボサボサな髪形と、黒縁の眼鏡が特徴だ。小声で「あ、どうも、のび太です」とあいさつする姿は、一見、気弱な印象を与える。だが、ステージに立つと表情は一変。大勢の観客を前に、時に激しく、時に色っぽく、堂々と歌う。「ライブでは、自分が一番かっこいいと思って歌っています」。

 姉の影響で、幼少のころから洋楽は好きだったが、中学高校では卓球部。大学1年で軽音楽部に入り、英ロックバンド、アークティック・モンキーズの音楽を聴いたのがきっかけでギターを購入し、バンド活動に目覚めた。その後、コンテスト優勝などを経て、10年に「ROCK

 IN

 JAPAN」、11年に「SUMMER

 SONIC」に出演。ファンから「インディーズ最重要バンド」と呼ばれるまでになった。

 英語を中心に、日本語がテンポ良く入り交じる歌詞については「その場で口に出してみて、心地よかったフレーズを後から書いています」という。ベースの彩は「見かけはこんな感じですけど、感覚がすごい」と話すが、「寝ることが好き。車の中とか、どこでも寝られます。たまに、寝坊も…」「今年のバレンタインのイベントで、家族以外の女性に初めてチョコをもらいました」と、「のび太」らしい一面もある。

 今年の目標を聞くと、「メジャーデビューが素直にうれしい。やるからには、何事もトップを目指したい。アイドルにも、勝ちたい。最終的には、バンド界のアイドルを目指します」と意気込む。インディーズで花咲いた“のび太バンド”の挑戦が、幕を開けた。【横山慧】

 ◆WHITE

 ASH(ホワイトアッシュ)

 のび太(ボーカル、ギター)山さん(ギター)彩(ベース)剛(ドラム)の4人組。06年、大学の軽音楽部員らで結成。10年、アマチュアコンテスト「R069JACK

 2010」で200組以上の中から優勝し、ロックフェスティバルなどに出演を続ける。のび太は自称「永遠の小学5年生」で、「『ドラえもん』の『スモールライト』がほしい。ギターを軽くして持ち運びたい」と話している。(3月14日付

 紙面から)