8月6日初日予定だった土屋アンナ(29)の初主演舞台「誓い~奇跡のシンガー」の公演中止問題で7月31日、騒動後初めて公の場に姿を見せた。多くは語らず、舞台原案「日本一ヘタな歌手」の著者浜田朝美さんや舞台のチケットを購入していたファンへの謝罪を口にした。浜田さんは「舞台化の許可はしていない」と主張。浜田さんに同調する形で稽古不参加を続けた土屋を擁護してきたが、この日、浜田さんの代理人の弁護士は日刊スポーツの取材に制作側に舞台化を認めていたことを明かした。

 土屋はこの日、生番組出演のため都内のスタジオを訪れ、約2分間、取材陣の前で頭を下げながら現在の心境を語った。「ブログで出しているように、(原作者の)浜田(朝美)さんのファンの方やチケットを買って楽しみにしていた方に申し訳ない。そこを謝りたい」。

 さらに浜田さんについて「傷ついているかもしれないし、迷惑を掛けたと思うので残念です」と話した。その後は「弁護士さんと相談します」と繰り返し、「自分の言っていることに自信は持てるか」との問いには、無言でうなずいた。

 土屋は30日深夜、ブログを更新し、あらためて自身の意見を初めて主張した。制作側が土屋の稽古不参加を公演中止の理由とし、「損害賠償訴訟を含む法的措置を講じる」と表明したことに対して、「突然の公演中止にはとても残念に思っています。事実・経緯については、弁護士さんに対応していただいています」と事態収拾に向けて弁護士を立てたことを明かした上で、「話せるタイミングがきたらきちんと報告させていただきますので、少しの間だけ待っていて下さい。今はこれしか言えなくてごめんなさい」としている。

 一方で、浜田さん側には新たな動きがあった。浜田さんは30日のブログで「舞台化を許可していない。土屋さんは無実」と擁護したが、浜田さんの代理人の弁護士はこの日、日刊スポーツの取材に「制作側に『舞台化に異議はない』と伝えていた」と、舞台化を認めていたことを明かした。

 代理人によると、5月半ばに浜田さん、代理人、著書を出版した光文社の担当者、制作会社代表で演出家の甲斐智陽さんの4人が会ったという。すでに舞台の主役が土屋に決まり、公演場所も決まっていた。代理人は「ここまで来ている以上、『基本的に舞台化に対して異議はない』と伝えました。不本意ながら承認するということで、舞台化もやむを得ないという認識だった。文書ではなく、口頭でした。浜田さんも舞台化に反対であれば、7月16日のライブに出ることはないでしょう」と話した。

 しぶしぶながら認めた形になり、7月27日に浜田さんのもとに台本がようやく届いた。しかし、29日に制作側が「土屋さんが稽古に参加しない」ことを理由に公演中止を発表し、土屋も「事実とは違う」と反論していた。同代理人は「浜田さんのブログの発言は、一方的に舞台化が進んだことへの思いを書いたものだけれど、的確ではないかもしれない」と話した。