耳の不調による来年以降のコンサート活動休止を発表した歌手氷室京介(53)が20日、ソロ25周年記念全国ツアーの最終公演を横浜スタジアムで行った。アンコール2曲目の後、雷雨で約1時間中断したが全国38都市50公演のロングツアーを締めくくった。

 氷室にとっても、ファンにとっても1つの集大成となる特別な夜に、思わぬ“演出”が加わった。中断後ステージに戻った氷室が、耳の不調を明かした前日19日の同所公演に続きまたも驚きの告白をした。「昨日のリハーサル中に胸を打って、レントゲンを撮ったら骨が折れてた。ぶざまでも生きざまを見せようと思って頑張ってたけど、この(中断の)演出は参るわ」。耳の不調だけでなく、胸部骨折の痛みをこらえ2日間歌い続けていた。

 「今まで何百回と歌ってきたけど、最高の命がけの『ANGEL』を送ります」。まだ雨が続く中、ソロデビュー曲をファンとともにびしょぬれになりつつ熱唱した。「最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高だぁー!」と連呼すると「氷室コール」に包まれた。まさに伝説の夜になった。

 今月13日、山口・周南の公演で「氷室京介を卒業しようと思う」と表明し、公式サイトでコンサート活動休止を発表。19日に「7年くらい前から右耳の調子が悪かった。左耳も、あるトーンだけ聞こえなくなった」と直接報告した。来年にラストとなるコンサートを計画中。関係者によると具体的なことは未定だが「今日はプロとして申し訳なかった。このリベンジを必ずどこかでします」と約束した。【大友陽平】