市川染五郎(41)の長女(7)が松田美瑠(みる)の芸名で、23日初日の「趣向の華ファイナル公演」(東京・日本橋劇場、25日まで)に出演する。2年前の舞踊公演でデビューするはずだったが、染五郎の転落事故で公演が中止となっていた。

 染五郎は今年、妹の松たか子(37)からある物を手渡された。12年8月、日舞松本流の舞踊公演「松鸚会」(国立劇場)で、染五郎がファンだった松田聖子が芸名の由来となった長女がデビュー予定だった。芸名のいきさつを新聞記事で知った聖子が「デビュー

 おめでとう」としたためた色紙をマネジャーが劇場に持参していた。ところが本番で染五郎が奈落に転落して公演は中止。美瑠は冒頭にドレス姿で登場したが、予定の歌は披露できず、混乱の中で松が色紙を預かっていた。

 染五郎は「色紙は何よりもありがたいこと。それが娘にとって宝物になるように、また出演する場をあげたいと思った」と明かす。「趣向の華」で美瑠が出演するのは染五郎の作・演出「表裏おうち騒動」(23日夜)と「東海道仇討絵巻」(24日昼、25日夜)。このほど、兄松本金太郎とともに宣伝用の写真も撮った。染五郎は「美瑠は撮られることに抵抗もなかった。舞台という現場に触れさせることで、将来自分のやりたいことにつながってくれれば」と話した。【林尚之】