テレビでこの人を見かけない日はない。TRFのリーダー、DJ

 KOO(53)がバラエティー番組に引っ張りだこだ。大物司会者とかみ合わないやりとりを展開したり、珍エピソードを明かして、共演者をあぜんとさせている。お笑い芸人も異彩を放つ存在感を、そろって「ずるい」とうらやましがる。本紙は出演番組の収録現場に潜入。単独インタビューも試みて、強烈なKOOワールドの秘密を探ってみた。

 KOOはフジテレビ系バラエティー「ペケポン」(金曜午後7時)の収録スタジオにいた。川柳の空白部分を解答するクイズのコーナー。挙手したKOOをカメラがアップでとらえるが、何も言わない。スタジオが静まり返る。制限時間を知らせる声が響いても、かまわず考え込んでいる。司会の上田晋也(44)が、あきれたような顔で突っ込む。「オッサン!

 何やってんだ!」。共演者が大笑いする中、KOOは平然とすましていた。強烈な存在感だった。

 並み居る大物司会者を驚かせている。明石家さんま(59)は、その天然ぶりに声を上げて笑いながら床に転がった。小堺一機(58)は質問とまったくかみ合わない珍回答に絶句した。

 先日放送された日本テレビ系「ダウンタウンDX」では、自宅で朝に新聞を取りに行き、15分以上戻ってこなかったエピソードを妻に暴露され、理由を説明した。さも当然という顔で「エレベーターのボタンを押すのを忘れて、しばらく乗っていたから」。浜田雅功(51)から「何やそれ!」と突っ込まれ、松本人志(51)は「お客さんも引いている」と苦笑いした。大爆笑を誘うボケっぷりに、共演する芸人たちは「ずるい」「かなわない」とお手上げの状態だ。

 「ペケポン」収録後、直撃した。「考えながら、1つ1つ話しているつもりなんですけど…」。この日もクイズに備え、川柳の本を7冊買って勉強していたという。出演番組が決まると必ず過去の放送を見て、傾向と対策も練っているという。残念ながら、その成果が出ているとは思えないのだが…。

 TRFのステージでは、メンバーの後方に陣取り、ラップを交えながら、リーダーとしてグループをまとめる。その姿は若者たちの憧れでもある。ところが今年に入り、メンバーと一緒に番組などに出演した際、そのユニークな言動が注目され、単独で出演依頼が届くようになった。

 「笑い」とは、縁があった。原点は20代から聞いている落語だ。「立川談志さんが好きで生前もよく高座を見に行ってました」。とぼけた味のトークは「普段通りの自然体でやっているだけなんですよ」。

 バラエティー番組出演の背中を押すのは妻と長女。「10年前だったらかっこつけていた。50歳を超えて変わりました。娘はパパの味方をしてくれる。テレビの話題で家庭の会話も弾むんです」。今後の方向性を考えた時、妻から「先のことよりも、今あるお仕事をちゃんとやればいいじゃない」と言われた。その言葉を肝に銘じ、飾ることなく番組出演を重ねている。【松本久】

 ◆DJ

 KOO(ディージェイ・コー)本名・高瀬浩一。1961年(昭36)8月8日、東京都生まれ。12歳の時にブリティッシュロックの影響を受けてギターを始めた。高校時代にダンスミュージックに触れ、DJ活動をスタート。92年にTRFを結成してリーダーに。金髪のロングヘア、キャップにサングラスがトレードマーク。<テレビ番組で発揮されたDJ

 KOOの天然ぶり>

 ▼言葉の選び方が微妙

 先月22日のフジテレビ系「ライオンのごきげんよう」で、大量のシュークリームを冷蔵庫にしまおうとした時の話を紹介。「第一だと崩れずに、第二だと安定…」。司会の小堺一機が「縦に入れると形が崩れずに、横だと崩れるということ?」と“翻訳”を試みたが、かみ合わずにしどろもどろに。しびれを切らした間寛平が「すっごいヤツが出てきた!」と頭を抱えた。

 ▼突然話を切り替える

 先月21日の日本テレビ系「踊る!

 さんま御殿!!」では、妻に付き添われて歯科に行くと告白。明石家さんまに「1人では行けないの」と突っ込まれると「家に帰って『どうだった?』『いくらかかった?』と聞かれるから」と珍回答。さんまが納得のいく理由を説明してもらおうとすると「歯医者でない話の方がいいですか?」。さんまは困り顔で「お願い、歯医者にして…」。

 ▼妻にコントロールされています

 ある番組で「お小遣い制でクレジットカードをもたせてもらえない」「マンションが賃貸か分譲かまだ教えてもらっていない」などと明かした。