長渕剛(58)が、今年の第65回NHK紅白歌合戦で歌唱する曲が20日までに内定した。今月5日に配信発売した「明日へ続く道」で、生きることを模索する若者たちへ「諦めるな」と伝えているメッセージソング。楽器はピアノだけで、ほえたけるように歌い上げるという。

 長渕にとって、4回目の紅白歌唱曲が「明日へ続く道」に内定した。テレビも含めてファンの前で歌唱するのは初めてだ。

 関係者によると、曲の完成は11月上旬。歌詞が突然、頭の中に浮かび上がり、長渕はすぐに都内のスタジオにこもってレコーディングを開始した。楽器はピアノのみで間奏に長渕自身のハーモニカというシンプルさ。夜を徹して作り上げ、一晩で完成にこぎ着けた。37年の音楽活動でも初めてのことだった。

 曲はスローテンポで、叫ぶように歌唱する声にピアノのメロディーが静かに乗っている。歌詞では、「諦めないで」「道は続く」などのフレーズが強調されている。

 今年10月から、TOKYO

 FMでスタートした新番組「SCHOOL

 OF

 LOCK!

 Saturday

 長渕

 LOCKS!」(土曜午後10時)のパーソナリティーを担当している。ビデオリサーチによると、首都圏の同時間帯では、10代男性ラジオリスナーの約4割が、同番組を聴取している人気番組だ。長渕は同番組を通じて、若い世代と交流。それが同曲の誕生にもつながっている。紅白歌唱曲が発表して間もない新曲という例は少ないが、曲の持つメッセージ性にNHK側も共感。紅白出場のたびに記憶に残る歌唱をしてきた長渕への期待を高めているという。

 長渕は、来年8月22日には富士山麓に10万人を集めて「オールナイト・ライヴ」を行うが、14年の最後にも、強烈なインパクトを残しそうだ。<長渕と紅白>

 ▼初出場

 90年の第41回で、前年に東西ドイツの壁が崩壊したベルリンから第1部のトリとして中継出演した。紅白史上初の中継出演で「親知らず」「いつかの少年」「乾杯」を歌唱。

 ▼13年ぶり2度目

 03年の第54回で、NHKホールにて「しあわせになろうよ」を歌唱。長渕が提供した「狼たちの遠吠え」を歌った森進一がギターとコーラスでも登場した。

 ▼8年ぶり3度目

 11年の62回で、東日本大震災で被災した石巻市立門脇小から中継出演。同年12月29日に配信した「ひとつ」を披露。鎮魂と復興の祈りをささげる思いで歌い上げた。