<フィッシング・ルポ>

 クロダイ大会史上最多ヒット!

 横浜・野島防波堤で7月31日に78人が参加して行われた「第6回野島杯争奪クロダイ釣り大会」は、波立つコンディションにもかかわらず計46匹をゲットする爆釣となった。総匹数を競った結果、48センチを頭に46センチ以上5匹をそろえて総全長236・3センチをマークした津山良平さん(21=横浜市)が、同数の2位に28・1センチ差をつけて初の栄冠に輝いた。審査委員長を務めた野島防波堤海津クラブの田中正司会長(68)のルポでお届けしよう。

 この日は曇天ながら強風のため、海は波立っていたが、風は北東で野島防波堤周辺では有利に働くもの。加えて、潮回りも大潮で満潮が午前4時39分、ソコリ(最干潮時)は午前11時26分(東京・芝浦調べ)で、午後2時30分のストップフィッシングまで前半は<下げ潮時を狙え>という野島防波堤のセオリーに合った状態だ。

 そんな中で午前6時50分すぎ、第1陣の渡船は「ドック堤」「青灯堤」限定、第2陣は「新堤」「赤灯」も含めて釣り場に渡った。参加者全員が雨具とライフジャケットを着用してのアタックとなったが、打ち寄せる波で各堤防では適当なサラシ(白泡)ができている。警戒心の強いクロダイには効果的だ。それもあってか、早くもあちこちでサオが絞り込まれる光景が連続した。

 津山さんがサオを出したのは「青灯堤」だ。付け餌はイ貝の稚貝をダンゴ状に500円玉大でセットし、落とし込み釣りで底を中心に攻めた。これが有効打となってヒットを連発し、最終的に5匹をゲット。いずれも46センチを超す良型ぞろいで、48センチを頭に47・8センチ、47・5センチ、47センチでトータル全長は236・3センチをマークした。

 同大会は、釣ったクロダイの数で競う。「新堤」にいた大倉正吉さん(45=東京都板橋区)も同じ5匹を釣り上げていた。同数の場合、全部の全長を足したポイントが審査対象となり、こちらは44・8センチが2匹に41・2センチと39・2センチ、38・2センチでトータル全長は208・2センチ、結果として28・1センチ届かず2位に-。3位には、「ドック堤」で3匹を取り込んだ狩野誠司さん(43=東京都武蔵野市)が食い込んだ。

 サイズでは、野島防波堤名物の50センチオーバーこそ出なかったものの、それでも「青灯堤」で高野高雄さん(51=横浜市)が49・3センチを仕留め、大物賞を獲得。全体で取り込まれたクロダイは計46匹にも達した。うち30~39センチが8匹、40~49・3センチは38匹。数の内訳は2人が5匹、1人が3匹、6人が2匹、21人が1匹をキャッチしており、釣果を提出したのは参加者78人中30人で過去最多のヒット率を記録する爆釣ぶりだ。

 津山さんは、ヘチ釣りを始めて3年目。前回の「第5回野島杯争奪-」では7位だったが、今回は見事初優勝を勝ち取り、「北東風が吹く好条件から考え、早い段階で底狙いに的を絞ったのが勝因だと思います。やっと優勝できて、うれしい」と話した。

 野島防波堤のクロダイ釣りは今年、過去最高といわれた一昨年を上回る釣況をみせている。8月に入ってもその勢いは衰えず、1日は数でトップが3匹、2日は6匹をマークし3日も5匹、5日4匹の展開。サイズも大型の50センチ超が連日のように出ており、3日は青灯堤で53センチがヒットした。シーズンは10月いっぱいまで、チャンスはまだまだ続く。

 【第6回野島杯争奪クロダイ釣り大会成績】

 (1)津山良平(21=横浜市)5匹総全長236・3センチ(2)大倉正吉(45=東京都板橋区)5匹208・2センチ(3)狩野誠司(43=東京都武蔵野市)3匹(4)神田秀樹(35=東京都豊島区)2匹93・9センチ(5)前田宏巳(34=横浜市)2匹90・8センチ(6)林洋一(63=横浜市)2匹89センチ(7)古田和治(53=神奈川県平塚市)2匹87センチ(8)寺倉利幸(73=横浜市)2匹85・9センチ(9)山下正人(56=横浜市)2匹73・4センチ(10)吉沢純一(34=東京都調布市)1匹(敬称略)※総匹数で同匹数は総全長審査

 ▼渡船

 日刊スポーツ新聞社指定「村本海事」【電話】045・781・8736。渡船は午前7時30分、正午便があり各3500円。土曜日(当日荒天の場合は日曜日)限定で午後3時50分の夜釣り便もあり詳細要確認。クロダイの他シロギスやクロメバル、フッコ&スズキなども狙える。毎週木曜日定休(祝日は営業)。HP<http://www1.seaple.icc.ne.jp/muramotokaiji/>

 ▼交通

 電車は京浜急行・金沢八景駅からシーサイドラインに乗り換えて野島公園駅下車。