<フィッシング・ルポ>

 初出場組が大躍進だ!

 「2012日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ブラックバス部門の決勝大会が9日、茨城・新利根川で行われた。予選6地区からの18人とシード選手(昨年決勝覇者)の計19人が覇を競った。今回は携帯電話メールで、名前を伏せて総重量3位までを途中経過で2度通知。強い日差しが照りつける中、決勝初進出した3人が上位を独占した。

 優勝した斎藤正史さん(40)は1年前とは別人になっていた。昨年の新利根川予選で初めてサーキットに挑戦し6位で悔しい思いをした。ハードルアーでトップを攻めて、大きな口を開けてヒットしてくる大物バスとのバトルが好きだった。「でも、それじゃ勝てない」と1年かけて、ルアーを潜らせて、見えないバスを探る釣りに“体質改善”していった。その成果が今回、花開いた。

 開始直後には「松屋」前の橋脚で35センチ前後のグッドサイズをキャッチした。その直後にほかの橋脚は狙わずに下流のアシ際を攻めた。「早い時間だったので、誰もやっていない自分の得意なエリアが気になった」と斎藤さんは振り返った。続けて橋脚に打ち込むのではなく、確実に匹数を増やせそうな選択をした。

 ネコリグで攻め続けた。3・5インチのカットテールに1・3グラムのシンカーを装着していたが、違和感を覚えて1・8グラムにシンカーを付け替えてヒットを連発させた。25センチ以上を10匹キャッチした。携帯電話メール報告では午前9時で「3匹、1200グラム」、2時間後には「5匹、1800グラム」で、最終的には入れ替えをして「5匹、2560グラム」で戻ってきた。

 6日あったお盆休みはすべて、新利根川で過ごした。「30年バスをやってるけど、こんなに練習したことはない。倒木に引っ掛けてシェークさせたり、底をゆっくりとズル引きさせたり。見えない水中だけど、バスが近寄ってくるイメージは描けた」と斎藤さんは話す。

 今回は間に合わなかったが、新利根川では大評判のスモールラバージグも練習したが「まったく反応がなかった」と斎藤さんはうなだれた。決勝覇者に与えられる来年の開催地指名では「当然、ここ新利根川でお願いします。そのときにはスモラバも…」と高らかに答えた。1年後、スモラバを操る斎藤さんが連覇を達成しているかもしれない。【寺沢卓】

 ▼問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「松屋」【電話】0299・79・1369。営業時間は、午前5時から午後5時。ボート料金は2500円~。毎月第4木曜は定休、毎週木曜の食堂はお休み。