残暑も収まり、涼しい風が吹きだすと大阪湾でチヌのフカセ釣りがシーズンを迎える。秋チヌの食いを確認しようと24日、良型を求めて市内住之江区の「Tポート・南港店」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)からほど近い北港の「夢洲」へ釣行。南面の通称1・5番付近に上がった。だが、まだまだ水温が高く魚の食いがいまひとつ上がらず苦戦。それでも早朝から底の苦潮を避けて条件の良い中層を攻め続け正午までに35~46センチの銀ピカを3匹仕留めた。秋チヌらしい元気の良いスリリングな引きを楽しんだ。

 まだ辺りが薄暗い午前5時過ぎ、「夢洲」の南面にある通称1・5番付近に入った。水深はサオ1本半ほど前方までが約8メートルで底は捨て石が入っており、その先は掛け下がっていく。

 少し寒いぐらいに気温が下がって心地良く感じるなか、まきエサを用意し、仕掛けをセット。まずは底付近を狙おうとオキアミを刺しエに約5ヒロのタナでサオ下へ仕掛けを投入。潮が左へゆっくり流れる中、潮上にまきエを打っていくが数投打ち返しても反応がない。刺しエも残ったままでエサとりもいない。どうやら底付近はこの時期特有の苦潮のようだ。

 続けて堤防際からサオ1本半ほど前方へ探っていくがなかなか反応が出ない。こうなると苦潮になっていない中層を狙うしかない。初めてチヌのアタリをとらえたのは同7時過ぎ。堤防際を底から約1ヒロ浅いタナで探っているとウキがスパーッと海中へ入った。バシッと合わせを送ると重量感たっぷりの手応えでチヌ特有の首をグングン振る感触が伝わる。足元のスリットへ勢い良く締め込む引きの強さは秋チヌならでは。じっくりとパワフルな引きを楽しみながら45センチ超の銀ピカチヌを仕留めた。

 4ヒロより下のタナは底潮が悪いと判断。4ヒロよりやや上を探るとまたしてもウキを一気に引き込む大きなアタリ。元気良くサオを絞るスリリングな引きをいなし40センチ級をタモに収めた。連続ヒットに時合の到来かと集中して仕掛けを打ち返すがハリ外れが一度あっただけで続かない。それでも辛抱強くまきエを効かせて攻め、コーンの刺しエで35センチを食わせ同11時過ぎに納竿とした。高水温による苦潮で3匹の貧果に終わったが、中層のチヌはコンディションが良好で食いアタリが大きく、引きも強かった。海況さえ良くなれば数、型ともに狙えそうだ。【日刊FPC・前西喜弘】

 【今後の見通し】水温が25度以上あり、底潮の酸素量が減る苦潮(にがしお)気味でチヌの食いが渋い状態だが、魚影は抜群に濃いので水温の低下とともに海況が改善されれば、秋の荒食いが期待でき、40~50センチ超の数釣りが楽しめる。

 【問い合わせ】フィッシングショップTポート・南港店【電話】06・6683・7757。釣具、各種エサ完備。

 【交通】Tポート・南港店へは、阪神高速堺線の「玉出」を出て南港通りへ。北加賀屋交差点から西へ約1・5キロ進み、柴谷橋を渡って50メートルほど進んだ左側。