<ニッカン・つりラボ>

 東京湾のマゴチ釣りがアツい!

 見た目は不細工だが、「超」の字が付く高級魚で、今年は夏場のトップシーズンを前に60センチ超の大物がヒットするなど、早くも<当たり年>の呼び声が高い。一方で、エサをくわえても違和感があれば吐き出してしまう<居食いの達人>で難しさも-。横浜・鶴見の「新明(しんみょう)丸」での実釣で見えたヒントは<エサ付け><タナ取り><合わせのタイミング>だ。

 東京湾のマゴチ釣りは、「照りゴチ」ともいわれるように夏場が最盛期だが、春は60センチ超のモンスター級のヒット率が最も高いのが魅力。「新明丸」も3月23日60センチ、4月は1日に61センチ、9日は62センチを記録している。

 釣り場は、大貫沖が中心で水深は10メートルライン。この日は、食いは渋かったものの、それでも、マゴチはヒットした。付けエサはこの時期、生きたサイマキ(クルマエビの子)を使う。右舷のトモ(船尾)で小竹成二さん(63=横浜市)が、40センチクラスを立て続けに2匹キャッチ。最終的に5匹を収めてサオ頭に-。左舷の胴ノ間(中央)にいた三田秀穂さん(53=東京都足立区)は、38~46センチを3匹取り込んだ。今春は60センチを釣っており「サイズは今イチだけど、数では上々」と笑顔を見せた。

 合わせが早すぎてか、バラシが連発する中、左舷トモで上山重義さん(65=品川区)のサオが大きく絞り込まれた。海面下に見えたのはデカ!

 60センチ以上はあろうかというモンスターマゴチだったが、頭を震わせて暴れた途端、ハリが外れて海中へ-。

 代わって!?

 上山さんが連発したのは、何とスミイカで500グラム以上の良型を4匹ゲットして「いいお土産」とニッコリ。生きエサだから、いろいろな獲物が飛びつく。小竹さんには40センチ余りのショウサイフグが掛かり、右舷のミヨシ(船首)で三浦雄次さん(55=横浜市)は、これも高級魚で50センチ近い大型のホウボウを釣り上げ、マゴチも1匹仕留めた。

 マゴチは、東京・亀有の「聡丸」でも今月5日に63センチをみている。現在、潮温は15度前後で推移しているが、「新明丸」のマゴチ船担当の新明慶樹船長(34)によれば、潮温の上昇とともにマゴチは水深3~8メートルラインに入り、海堡(かいほ)周りのポイントも加わって浅い分、釣りやすく、さらに釣果アップのチャンスだ。【長瀬川忠信】<新明慶樹船長のアドバイス>

 マゴチ釣りは、<エサ付け><タナ取り><合わせ時>がキモです。

 ◆エサ付け

 6月からはハゼなど魚エサも使いますが、今はサイマキが主体。ケン(ツノ)の付け根の下に急所があるので、ここを避けて、ハリ先をケンに添うように押し込み、ケンの付け根の先にハリ先が出る程度で止めます。

 ◆タナ取り

 マゴチは底付近にいるので、ハリスの長さの半分上を目安にオモリを浮かせ、潮がきついときは流れ具合を読みながら底上30センチ上ぐらいまで落とし、逆に潮流れが緩い場合は少し上に取る。場所によっては徐々に浅くなるカケアガリもあり、タナはまめに取り直してください。

 ◆合わせ

 マゴチはエサをくわえてもすぐにはのみ込まず、違和感があれば吐き出してしまう。アタリがあったら、糸を送り込んで抵抗感を与えないこと。ただし、リールから送り出すのではなく、引き込みに応じてサオ先を少しずつ下げていき、サオ先を引き込むか、ストロークの長いものに変わったときが合わせのタイミングです。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「新明丸」【電話】045・501・2081。マゴチの乗合は午前7時30分出船でサイマキ5匹付き(1匹追加100円)9500円。ほかにショート便のシロギスとスミイカと週末限定で夜釣りのクロメバルも出漁中。毎週木曜日定休。HP<http://www.shinmyoumaru.com/>

 ▼交通

 電車はJR・鶴見駅か、京浜急行線・京急鶴見駅から潮見橋手前「新明丸」まで徒歩約4分。車利用の場合は詳細要確認。