<フィッシング・ルポ>

 「2014日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」アユ釣り大会が21日、晴天の静岡・興津川で実施された。昨年より5人多い98人が参加し大盛況だった。同匹数で昨年の1、2位が並び、54グラム差で谷川光之さん(44=浜松市)が大会史上初の連覇を達成した。

 予選は上流のAかBで午前8時から3時間釣り、決勝は午後0時半からA、Bにくじ順で入川し、1時間後に場所を移動する計2時間の競釣となる。

 谷川さんは昨年の決勝くじ運が最悪で17人中16人。今年も13人中10人。でも、慌てなかった。今年は興津川に8回来て、16日も試釣で訪れ、入れ掛かりしていて自信を深めていた。

 免除だった予選の間、アユの動きを観察し、釣り人の様子を見て「オトリを引きずってはダメ。数の見える場所も惑わされてはいけない。群れから離れた大石の陰の泳がせだ」と決めていた。Aスタートで5匹、前半を早めに切り上げて、後半のBでも思い通りの場所に入れて6匹を釣ったが、オトリも含めて13匹目をキャッチしそこねて手元からスルリ。12匹だった。

 梅村さんもAからだった。「見える群れは追い気がない。ヘチで単独行動をするアウトローを拾っていこう」と予選出場する仲間の昼食の買い出しをしながら午前中は川見に徹した。決勝は前半7匹。安心した。Bでもヘチで粘ったが、アタリすらない。切り替えた残りわずか、流芯で3連続キャッチして12匹に乗せた。昨年同数46グラム差で敗れた谷川さんに並んだが、総重量で54グラム及ばなかった。

 3位石田翼さんは岐阜在住でアユ歴6年。地元に名河川が多いものの、12月までアユ釣りのできる興津川にホレ込んで「ホームです」と自負する。決勝は前半Aで最上流まで走って浅いヘチで2匹しか釣れず焦った。また走ってBに入ったときには残り30分。それでも予選で大当たりした場所に入れて7匹連続で釣れた。「3位はできすぎ。うれしい」とはにかんだ。

 連覇の谷川さんは「当然来年も」。11、12年3位→13、14年準Vと4年連続シードの梅村さんは「順番的には次が優勝ですか」と笑い、3位の石田さんも「優勝したいですね」と来年に目を向けていた。【寺沢卓】

 ▼賞

 2連覇した谷川さんには、優勝トロフィーと賞状、副賞としてがまかつ提供の全身28項目を測定して体にフィットするサイズオーダーのアユタイツ(4万300円相当)と先丸ワイズ3Eタイプのウェーディングシューズ(1万7500円相当)と、マルキユー提供のパワーバッカンセミハード(6500円相当)などが贈られた。また、上位者3人にはがまかつ提供の水気をはじいて車で便利なトランクトレイ(5200円相当)が色違いで贈呈され、5位までにキャップ、決勝進出者にはロゴステッカー、Tシャツ、タオルも渡された。

 ▼大会概況

 興津川での大会は今年で9年目で谷川さんが初の連覇者。川面に多数のアユの魚影が目視できた。この見えるけれど釣れないアユがくせ者だった。予選には過去最多の94人がエントリーした。競技エリアとなった高瀬~西里エンテイを2つに分け、匹数審査でそれぞれ10位タイまでが決勝進出。上流Aから11人、下流Bから10人が突破。昨年覇者谷川さん、準優勝梅村強さん、3位平野和之さんと興津川の日刊スポーツ指定宿「あこがれ亭」推薦の木下敦さんの4人がシード選手で、決勝は計25人で戦った。

 ▼釣りの問いあわせ

 興津川「あこがれ亭」【電話】054・393・3814。興津川非出資漁協【電話】054・393・3894。