<フィッシング・ルポ>

 「2014日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ブラックバス部門の決勝大会が19日、神奈川・相模湖で開催された。予選7地区のダービーを勝ち抜いてきた18人(3人欠席)と昨年覇者の計19人が、3匹の総重量で競った。決勝の常連で河口湖代表の永井恵一さん(43)が約2キロの大物を含む3220グラムで初優勝を飾った。

 圧勝だった。バスの決勝大会では、携帯電話のメールで釣果を報告している。午前9時と同11時。永井さんは、前者で「二本800位」、後者では「3キロ」とよこした。何ごとだ。

 河口湖でしか釣りをしない永井さんが8月から相模湖に通った。河口湖「ハワイ」では「永井さんが河口湖から消えた」との情報が飛び交うほどだった。結果、永井さんの出した戦略は、カバー(水面に木々がかぶさっている状態)の大物は食わない。岬周辺などの水通しのいいエリアを効率よく狙う-だった。

 だが、水が増えたことでバスの居場所に変化が出た。水通しがよくて、エサとなる小魚が多いエリアで反応がない。途方にくれて1度は捨てたカバー打ちをするため、秋山川まで移動した。地元のバスマンは誰もいない。「秋山にバスはいない」との情報が流れ、見放されていた。このとき永井さん、ひらめいた。

 カバーの奥をみると珍しくクリア。全部、見える。いるはずのデカいバスがいない。「浅場と深場を回遊している」と仮説を立て、水中の大きな倒木沿いにカケアガリをダウンショットリグで攻めた。狙い通りにヒット。ただ、倒木に潜られてしまうとバレてしまうので、ロッド先を湖面に突っ込んでバスをコントロールした。見事にキャッチ。風が吹いてきた午前10時ごろだった。47センチ、1950グラムの大物だった。

 結局、3匹で3220グラムのぶっちぎりの初優勝だった。過去、決勝大会は2011年・4位→12年・11位→13年・5位と3位内が壁だった。「もう自分の引き出しには何もなかった。残りは無理と思ったカバー。地元バスマンも避けるリスクを冒さないと勝てないんですね。いい経験になりました」と永井さんは優勝トロフィーをさすりながらつぶやいた。【寺沢卓】

 ▼賞

 初優勝の永井さんにはクリスタルトロフィーのほか、がまかつ提供のバスロッド「ラグゼ

 エクスプラッシュS64ML

 6・4F」(2万500円相当)、同ウインドブレーカー、同オリジナルキャップ、マルキユー提供のライトポーチ「PA-01

 M

 ネーブル」(2900円相当)などが贈られた。

 ▼宿

 相模湖「柴田」【電話】0426・87・2318。出舟は午前6時。ボートはローボート1人乗り3000円、2人乗り4500円。電車ではJR中央線藤野駅からタクシー。車なら中央自動車道の相模湖インターチェンジを下車して右折してすぐ左側。