「不祥事」で、女性議員がクローズアップされる事態が続いている。昨年から考えれば、安倍内閣の閣僚だった小渕優子、松島みどり両氏が、政治資金問題や、うちわ問題で辞任。今年に入ると、中川郁子農水政務官の路チュー騒動。片山さつき参院外交防衛委員長の遅刻問題。最近では、予算案採決の本会議欠席などで、維新の党を除名処分になった上西小百合衆院議員、という具合だ。

 今の国会では、女性議員が、男性議員に比べれば、圧倒的に少ないため、なぜ? と思ってしまう。謝罪や釈明の場には一様に、紺や黒、グレーと、地味な色のスーツで現れた。ファッション次第で、印象がどのようにも変わる「勝負の場」でもあるからだ。

 上西氏の場合は、例外だった。上質なグレーのスーツこそ着ていたが、マスカラを強調した目元と、淡いピンクの春色カラーの口紅といった、トレードマークのばっちりメークで登場。目立たなくてもいい部分で、目立ってしまう結果になってしまった。

 女性国会議員のファッション。以前は、カラフルな、どちらかというと、「どぎつい系」の色のスーツを着た議員も多かった。「明るい色のスーツは、自分の存在感を示すために大切ですから」と話す人もいた。国会という男性社会ではまず、見た目から存在感を示すには、1つの手段だったのかもしれない。

 最近は、シンプルなスーツを着る人も増えた。それでも、こだわりを持つ人はいる。民主党の蓮舫代表代行は、パンツでもスカートでもほとんど、黒や白。やはり地味な色のスーツが多い自民党の野田聖子衆院議員は、意識してスカートをはくようにしていると聞いた。37歳で初入閣した時、「スカートをはいていると、大臣になれるんだな」と、先輩の男性議員からすれ違いざまに言われたこともあったようだが。

 女性議員のファッションが話題になることは、本来はあまりない。一連の謝罪や釈明の場が、注目されるきっかけになったのは、だからこそ異例だったと思う。