2020年東京五輪のバレーボール会場見直し問題で東京都の小池百合子知事(64)は9日、定例会見で従来計画の有明アリーナ(江東区)に関する具体的な構想を明かした。「臨海副都心」構想の一層の戦略化が図られる見通し。

 96年に世界都市博覧会を行うはずだった臨海地域が、開発途上である点に触れ「都市博をやめ、30~40年放っておいた場所。点としての(五輪)会場ではなく、面の発想で地域全体の価値を上げる成長戦略としての投資だ」と語った。

 20年の有明地域は仮設で体操競技場が整備され、「有明テニスの森」もテニス会場として整備される。近くの青海(江東区)ではスポーツクライミングなどが開催される。有明コロシアム横には大手不動産会社が大型マンションの建設を予定している。都が共通の方向性を見いだし、一体として開発する考えだ。

 大会後に運営権を民間に売却する「コンセッション方式」も検討中。競技団体を束ねる「日本トップリーグ連携機構」と音楽イベント団体「コンサートプロモーターズ協会」が協力して、民間資金を有明アリーナに投入する動きもある。

 一方で、小池知事は横浜アリーナ案も検討中と強調。新設を希望する人たちへ「だったら自分のお金でやって」との本音も飛び出た。横浜案は困難との見方が強く、バレーボール開催地は有明になる見通し。

 IOC、大会組織委員会、都、政府による4者のトップ級会合が今月21日に開かれることが調整されている。小池氏は16日の定例会見で自身の判断を述べる可能性もある。【三須一紀】