東京都の小池百合子知事が20日、豊洲市場の土地売買契約に関し住民が石原慎太郎元知事を訴えている裁判について、訴訟対応特別チームを編成することを発表した。

 住民は12年5月から、石原氏が知事時代に汚染された土地を東京ガスから購入した経緯について「都知事の裁量権を濫用逸脱した違法行為」とし、「東京都が石原氏に対し、約578億円を請求せよ」と訴えている。

 小池氏は、これまで21回に及んだ公判を担当してきた訴訟代理人を交代し、新たに特別チームを編成することを決めた。

 第9回のモニタリング調査において、72カ所で基準値超過、1カ所で基準値の79倍のベンゼンを測定するなど「驚くべき数値が出て、これまでと同じ対応で良いのか」と語った。

 東京都はこれまで、石原氏には損害賠償責任が存在しないとの方針で訴訟対応してきたがそれを見直す。

 小池氏は「あらためて検証し直すことで東京都がどのように対応するのか決めていきたい。私が現時点で結論が出ているわけではない。12年から進めている訴訟で、いま一度ここで立ち止まって考えようということ」と語った。訴訟方針の転換は今後の検討次第となる。