豊洲市場の移転問題を審議する東京都議会の特別委員会が13日、開かれた。4日の特別委で、環境基準の最大79倍のベンゼンを検出した9回目の地下水モニタリングの担当業者が都の指示で1~8回目とは異なる方法で採水したと明かした問題について、市場側が説明を行った。

 検査は井戸にたまっていた水を抜き(パージ作業)、新たにしみ出した新鮮な地下水を採水し検査する方法で行われていた。しかし、9回目を担当した湘南分析センターは「(都から)パージ水を採水する指示があった」と明かしていた。

 都中央卸売市場は特別委で「採水最終日に採水した井戸は最後の井戸であり、シアンが対象でスケジュールを考慮し指示した」と説明。検査結果は環境基準値内だったという。

 パージ当日の採水を指示されたという湘南分析センターの主張については、都は「水位の回復時間が平均20~30分と仮定し、入札時にパージ作業と採水は同日を想定している」と回答。また、パージ後、井戸を落ち着かせる「静置時間」を取らずに採水するよう指示したことはないとした。「静置時間」については、1~8回目のモニタリング業者にどの程度設けたか、聞き取り中という。

 湘南分析センターは4日の特別委で、昨年11月に異常値が出たことを都側に伝えたとしていた。中央卸売市場側は「報告を受けていない」とし、主張が食い違っている。