「森友学園」の籠池泰典前理事長夫人、籠池諄子氏が園長を務める認可保育園が、運営に必要な保育士を確保できなくなっている問題について、20日夕、諄子が大阪市役所を訪れて、市の担当者と面会した。

 大阪市こども青少年局によると、諄子氏は長男佳茂氏、代理人弁護士2人の計4人で市役所を訪ねたが、取材陣が待ち受けていたことに、不快感を隠さず。諄子氏は報道陣に一礼して、市職員との面会に臨んだものの、佳茂氏は激しい不快感を口にしたという。

 ただ、諄子氏も面会では精神がたかぶっていたようで、ある市職員は「ドア越しに『きい~っ』と甲高い声が聞こえてきた。おそらく女性の声だと思う」と話した。室内からは「保育士を確保しろと言われてもできることとできないことがある」などと、女性が大きな声で話す様子がうかがえたという。

 同保育園では、学園をめぐるさまざまな問題が明らかになって以降、運営に必要な保育士を確保できなくなっている。同保育園には現在、園児45人が在籍しており、保育士配置基準を満たすには、常勤保育士6人が必要だが、この日面会した大阪市こども青年局によると、諄子氏には「そもそも、6人が必要だという認識がなかった」と明かした。

 この日の面会は1時間20分に及んだが、諄子氏からは、保育士増員への具体策は出てこなかったといい、同局は「なかなか、会話が成り立たないという状況でございました」と説明した。