東京都の小池百合子知事は11日、官邸で安倍晋三首相と会談し、2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場の費用分担問題などについて協議した。

 会談後、小池氏は報道陣の取材に、結論が難航している仮設整備費について、都以外の施設も含めて、原則として都が全額負担すると発表した。

 真っ白のスーツで現れた小池氏は、「(オリパラを)オールジャパン体制で進めていくにあたり、国、都、会場を持つ他の自治体の負担について話をした」とした上で、「仮設費用については、ずっと精査を重ねてきた。施設の数は40くらいある。いくらかかるか、圧縮できないか(精査した)。それで時間がかかったのも事実だが、昨日の時点で大枠で合意した」と述べた。

 小池氏は当初、今年3月中の決着を目指したが、協議が難航。今月9日に、5月中の決着を目指すとしていた。「ホストシティとして、40もの施設の1つ1つ(の内容)を詰め、ただ積み上げるのではなく、もっと安くできるのではないかいう事務的な話で、ここまで(時間が)かかってきたのが実態だ」と述べた。

 約500億円とみられる仮設整備費の財源については「しっかり精査したい」と述べるにとどめた。都外の施設の負担をすることについて、都民や都議会への説明は「これから、しっかりさせていただく」と強調した。

 首相は9日、丸川珠代五輪相に、都側の決定を待たずに、調整に入るよう指示したばかり。一方、小池氏はこの日の首相との会談は、大型連休前から決まっていたとし、「今日に向けて話を詰めてきた。非常に煩雑で複雑で、金額も張る、1つ1つ精査しながら時間がかかった」と繰り返し、決定が遅いことに反発を強めていた各自治体に対しては、「これで加速して準備をいただきたい」と、理解を求めた。

 小池氏はまた、「国には、パラリンピックの経費の負担をお願いした。10日に、事務方のトップの会議でほぼ固まり、総理もご存じだった」と述べた。パラリンピックの費用については、半分を大会組織委員会が負担し、残りを国と都で折半する見通しだという。

 「これからは機運醸成も含め、それぞれの役割、責任でさらに、国民にも広く呼び掛けていこうという話を、総理と共有した」と述べた。