22日、都庁で会見をした木下富美子都議(55)について印象戦略コンサルタントの乳原佳代さんは「まったく自分の立ち位置が分かっていない」とピシャリと言い切った。

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木下さんは、この会見で「謝罪をする」という気持ちはあったのでしょうか?

謝罪するつもりがあって、会見を開始する時刻も「午後6時」ということまで決めていて、その結果、遅刻をしている。ありえないですね。インターネットではライブ配信もありましたが、その画面の向こう側には都民のみなさんが注視していて、夕食をつくったり、子どもの迎えがあるだろう時間でもあったはずです。都民の存在や時間への配慮、尊重はなんら感じませんでしたね。

さらに、木下さんが政治家を目指すきっかけや、都議会議員になってからの実績は話す必要があったのでしょうか? この会見の本来の目的は無免許運転や当て逃げをしたこと、都議会に連絡せずに無断で欠席したことへの説明だけでよかったはずです。

あえて服装について気付いたことを話すならば、ラペル(上着の折り返し部分)のないジャケットを選ぶ場ではないです。ラペルのないすっきりしたデザインのジャケットは、小顔効果があることを意識されているかもしれませんね。ジャケットの色も、謝罪をテーマとした会見ならば、鉄紺と言われる黒に近い色か、もしくはグレーが適当と思われます。

ジャケットの下も白のブラウスでいいはずなのに丸首クールネックシャツ。しかも襟ぐりが深く、引き締め効果の高い黒い色のシャツでした。おそらく木下さんは無意識に自分をよく見せようと思っているようにみえました。

あとこんなことは突っ込みたくはないのですが、お辞儀が浅い。実際お辞儀を深くしたところで、人の気持ちを癒すのは難しいとは思いますが、少なくとも誠意の表れにはなるとは思います。

しゃべった内容、カジュアルな服装、はしばしに垣間見える立ち居振る舞いから木下さんには自分がどこにいるのか分かっていない、ということが見えたような気がしました。【聞き手・寺沢卓】