EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第31回のテーマは「正しい体の使い方

 パート2」です。腰痛の原因は腰にあるのではなく、実は腹筋や背筋の力が弱いというケースもあります。また、膝痛の原因=「お尻の筋肉が使えていないから」ということもあります。「な~るほど!」と思われた方、ぜひ改善エクササイズを実践してみてください。

 健康への関心が特別高くない人でも「腕立て伏せ」にはなじみがあるものです。これは、主に腕や胸の筋肉を鍛えるための運動と思われていますが、吉田氏は「本来は腹筋、背筋を鍛える目的の運動」と解説します。

 吉田氏

 まずは腕立て伏せ(プッシュアップ)を実際にやってみましょう。女性は手をあごの横。男性は額の横か頭の横に置いて、そのままの姿勢でグッと体を持ち上げます。おなかが落ちていませんか。アゴを上げて首を反らせていませんか。腹筋と背筋がしっかり使えていないと見た目も格好悪く見えます。改善するエクササイズがフロントブリッジです(写真1)。最初は肘に力を入れて床を押すようにします。きつい人は膝をついても構いません。横から見て、上半身と膝が一直線になるようにして、その状態をキープ。腹部に力を入れて体を固定させるように心がけてください。これができれば、普段走ったりする時もしっかりと腹筋が使えてきます。

 走る姿勢が悪いと腰痛を招くこともあるそうだ。

 吉田氏

 学校のクラブ活動などで、指導者に「ももを高く上げて走れ」と言われても、骨盤が安定していないから体が丸まってしまい、ももが上がっていない選手がいます。実際に走ってみると、背筋が丸まって腰の前後動みたいな動きになってしまう(写真2)。この姿勢はものすごく腰に悪い。こんな姿勢で毎日走っていたら、すぐに腰を悪くします。先生に「腰が痛いから休みます」と言ったら、逆に「何だお前、体が弱いな」と注意されるかも。でも、本当は指導そのものに問題のあるケースもあるんです。

 第31回<2>につづく。【取材・構成=松本久】

 [2014年5月23日12時8分](2)骨盤が安定していないと、腰の前後動みたいな悪い走り方になると説明する吉田輝幸氏