EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第36回のテーマは「大きな筋肉を鍛えましょう」です。胸、背中、お尻などに効果のあるトレーニングで体の代謝をアップします。前回は体幹を鍛えましたが、「体幹固め&大きな動きで心拍数を上げる鍛錬」を交互に2回ずつ紹介します。

 大きな筋肉の動きを伴って、難易度がアップしたトレーニングを3種目紹介します。ダイナミックに動くと代謝も心拍数も上がりますよ。

 ◆プッシュアップ

 

 通常の「腕立て伏せ」で、胸部と腹部に効果があります。

 吉田氏

 うつぶせになって腕を地面に立てます。肘は曲げず、膝を床から浮かせたままで、つま先で床をしっかりと押します。足、腰、背中が一直線になるように意識してください(写真1)。上半身をまっすぐに保ち、おなかが落ちないように力を入れながら、そのまま肘を90度以上、曲げます。戻る際には肩甲骨をグッと押し出すようにして肘もしっかりと伸ばしましょう。正しい姿勢ならば、腹筋と同時に胸の筋肉も鍛えられます。悪い例としては、アゴが上がって腰を反ってしまう人がいます(写真2)。これでは腹筋がまったく使えていません。もう1つは、逆に出っ尻で背中が山なりになってしまう例(写真3)。これは、腹筋の弱い人がなりやすいですね。トレーニングの回数をこなしたいけれど腹筋がきつい。そういう人がこの姿勢になりがちです。これだと胸のトレーニングにはなりますが、腹筋が使えていないのでNG。おなかをしっかりとへこませてお尻にキュッと力を入れ、目線は床に向けてあごを引く。これが正しい姿勢です。

 ◆ワンレッグデッドリフト

 臀部(でんぶ)や太ももの後ろ側を鍛えるトレです。

 吉田氏

 簡単に言うと、朝礼などの「気を付け、礼」のイメージです。最初に背筋を伸ばして直立。そのまま、手のひらを上に向け、両手を肩の高さの位置まで上げて真横に伸ばします(写真4)。この時、おなかはしっかりとへこませます。そのまま礼をして、片足をだんだんと上げていきます。上半身がグラグラしないように軸足の膝を軽く曲げ、バランスを取りながら、足裏を床に押しつけるようにしてしっかりと片足の力で全身を支えましょう(写真5)。背中を丸めてはいけません(写真6)。これだと背筋、お尻、もも裏の筋肉がまったく使えていません。骨盤が開いてもいけません(写真7)。これだと、お尻の筋肉でなく太ももで全身を支えてしまいます。つまり、鍛えたい筋肉でない部分を使っています。地味に見えますが、お尻回りやももの裏を鍛えたい人には一番お勧めのトレーニングです。

 第36回<2>につづく。【取材・構成=松本久】

 [2014年6月13日12時38分](2)アゴが上がって腰を反ってしまう悪い例(3)出っ尻で背中が山なりになってしまう悪い例(4)ワンレッグデッドリフト

 「気を付け」の姿勢で、両手を肩の高さの位置まで上げて真横に伸ばします(5)上半身を曲げて、片足だけの力で全身を支えます(6)背中を丸めてはいけません(7)骨盤が開いてもいけません