シリコンビーチにはたくさんのIT企業が移転をしてきており、まだまだまだまだたくさんの建物が建設中です

ハワード・ヒューズが資産投じ

　LAで近年注目されるエリアのひとつが、ロサンゼルス空港から車で北にわずか10分程度のニュータウン「プラヤ・ビスタ」。ここはもともと、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化されたこともある実業家で飛行家でもあるハワード・ヒューズ氏が所有する飛行機会社の本社ビルがあった場所。映画プロデューサーでもあったヒューズ氏は、莫大な資産を投じて映画撮影のための戦闘機を買い集め、滑走路や格納庫を作ってこの地で映画の撮影も行っていました。ヒューズ氏亡き後も映画スタジオとしてディカプリオ主演の「タイタニック」など多くの映画の撮影がされてきました。

ここにはヤフーのオフィスもあります

スタジオ跡地に大規模建設

　21世紀に入ると、その広大なスタジオ跡地に住宅と商業施設を混合した大規模なコミュニティの建設が始まりました。何期にもわたって開発が続けられてきたプラヤ・ビスタは、サンタモニカやベニスからもほど近く、世界有数のヨットハーバー「マリナ・デル・レイ」に隣接しています。立地条件の良さに加え、町全体が新しく作られたので、建物はすべて新築で区画整理されています。学校や公園、図書館、公民館などの公共施設も整い、オーガニック系のスーパーマーケットや映画館、レストランなどが入る巨大モールも完成し、とても住みやすい環境になっています。

ユーチューバー専用のスタジオもあります

次々シリコンビーチに移住

　そこに目を付けたのがIT企業やエンターテインメント業界。ヤフーやフェイスブック、マイクロ・ソフト社など大手IT企業やFOXスポーツ、YouTuber専用のスタジオYouTube Space、動画配信サービス会社フルスクリーンなどのメディアや映像制作会社が次々と移住し始め、今や「シリコンビーチ」として国内外から熱い注目を集めるほどに急成長しています。

広大な敷地内あるフェイスブックのオフィス

ビーチシティゆえのスタイル

　シリコンビーチで働く人たちは、広々としたオフィスでゆったりと仕事ができる環境が整っているだけでなく、年間で300日以上が晴れというLAでは朝サーフィンをしてから出社するなどビーチシティならではのライフスタイルが送れることも魅力だと言います。また、ハリウッド映画のお膝元だけあり、エンターテインメントとテクノロジーの両業界が集まることは双方にとってもメリットは高く、デジタルメディア・コンテンツの会社の進出は今後も続くものと予想されています。

コンドミニアムやオフィスビルなどが混合し、ひとつのコミュニティを作り上げています

夢はプラヤ・ビスタに家を持つ

　IT企業以外にも、プロバスケットボールリーグNBAのクリッパーズのトレーニング施設などもあり、土地の値段も高騰していると言われており、今ではプラヤ・ビスタに家を持つことがIT業界で働く若者の憧れとなりつつあるようです。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も）