コマセ釣りで狙うマダイ(コマセダイ)はコマセの帯で誘え! 春の乗っ込みシーズンを控え、これからは潮温の上昇とともに釣況の上向きが期タイされるターゲットだ。近ごろはひとつテンヤ釣りなど、釣り方はいろいろあるが、その中で最もポピュラーな存在はコマセダイだろう。そこで、この釣りに精通する日刊釣りペン・クラブの加藤雄二さん(59)に攻略法を披露してもらった。ポイントは<コマセワーク>だ。

 加藤さんは、横浜・金沢八景「太田屋」のコマセダイ釣り教室の講師も担当している。先日も参加者4人を伴って、久里浜沖で実施した。しかし、マダイは極端に食い渋り、加えて、サバの猛襲に悩まされるなど大苦戦。結局、ゼロのままストップフィッシング-。潮温が急激に12度台に下がったのが原因ではどうシオもないか…。

 関東沿岸海域の潮温は全体的にまだ低めながら、そんな中でも各地でコマセダイは好釣をみている。今月の釣果を見てみると、三浦・毘沙門(神奈川)の「新店(しんみせ)丸」で2日トップが10匹、4日に9匹をマーク、17日は6キロの大ダイを取り込んだ。沼津・久料(静岡)の「魚磯(うおいそ)丸」もサオ頭が9日9匹、翌10日8匹、22日は6キロの大ダイを含む10匹のタイ漁だ。また、南房・吉浦(千葉)の「八平丸」では14日に4人で計20匹をゲット、16日には11キロの超ド級もヒットしている。

 マダイに限らず海の釣りでは潮温の変化がカギ。下がれば活性がダウンし、逆に上がれば活気づくことが多い。「太田屋」でも潮温が下がる前、10匹台と4キロ以上の型ものも出ている。産卵準備で浅場へ移動する乗っ込みの時期を控え、今後は潮温が上昇したときが釣況好転のタイミング。春の気配は日増しに濃くなっており、そう遠くはないはずだ。【長瀬川忠信】

<加藤雄二さんのアドバイス>

 ◆コマセはパラパラの帯をつくる 今のマダイは潮温が低いので活性が鈍いうえ、警戒心も強く、潮下にいる。このマダイを誘うのにはまず、船長の指示したタナより5メートル下まで落とし込み、ハリスがなじんでから軽くコマセを振りだす。このとき、まききらないようにして素早く指示ダナまで上げる。指示ダナは、コマセカゴを位置させる海面からの深さで、これより下にコマセカゴを置いたままでは<タナぼけ>してしまうので要注意。タナ取りした後は置きザオで待ち、残ったコマセが船の揺れでパラパラとライン状に出ていけば、最初に振りだしたコマセとつながって帯状になり、潮下にいるマダイに届く。コマセは、基本的に途切れないようするのが理想だが、ただし、サバやエサ取りが多い場合、指示ダナで落としを止める<ピン止め>でコマセはあまり出さないパターンもある。それにタイ応してコマセカゴを調節しておくことも必要。

 ◆タイミングがカギ コマセに誘われ寄ってきたマダイがエサを食べ始めたときがチャンス。また、潮温が少しでも上がったり、潮の変わり目に食いだすことがある。ここで付けエサ(オキアミ)が残っていることが大事。事前にコマセと付けエサをチェックしておき、このタイミングを逃さないためにも1匹釣った後、すぐに仕掛けを入れ直し、釣る時間を長くするようにしタイ。要は長めのインターバルで構えるのがポイントだ。

 ▼船 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイの乗合は午前7時20分出船で付けエサ&コマセと氷付き1万500円、女性と小&中学生は5000円。ほかにライトタックル(LT)のアジ釣り午前&午後便とルアーの五目釣りも出漁中。木曜日定休。HP<http://www.otaya.net/>

 ▼交通 電車は京浜急行線・金沢八景駅下車。送迎バスあり。車利用も含め詳細は要確認。

 ※「太田屋」では、コマセダイ釣り教室を3月8日(日)に実施する。当日は午前6時半集合、納竿(のうかん)は午後3時予定。実釣レッスンのほかマニュアル講習もあり。申し込みと問い合わせは「太田屋」へ-。