和歌山・紀ノ川の野アユは力強かった。8月23日、「紀ノ川漁協大鮎釣り大会」に参加した。場所ムラはあるものの、増水後の引き水で追いは時間とともに活発になり、午前11時の検量までに19匹を釣り優勝。大会後も漁協の好意でオトリを分けてもらい再びサオ出し。トロ瀬を泳がせるとまた良型のアタリが連発した。午後4時まで釣り、大会と合わせ15~24センチを合計34匹。ワイルドなアユの引きを堪能した。

 午前6時すぎ、紀ノ川の竜門友釣専用区右岸に到着。同7時すぎから、エントリー順にオトリを引き競技を開始する。すでに右岸側の瀬頭から瀬落ちの開きまで14人が等間隔で陣取っている。やむなく左岸に渡る。平水より約15センチ高く、うっすら濁りも残る。上の荒瀬が気になるが、瀬落ちでオトリを天然アユに替えることが先決だ。養殖オトリを優しそうな波に引き込んでじっと我慢する。

 だが、なかなかアタリがない。すぐ下流の釣り人が良型を取り込んだ。対岸でも次々にサオが曲がりタモが抜かれている。引き回すこと30分、オトリは瀕死(ひんし)の状態。2匹目のオトリを入れ、時々小さく上下に揉みの誘いをかける。待つこと10分、突然ガガーンと待望のアタリ。20センチ超の黄色い野アユをタモに取り込んだ。

 ボウズを免れたことで緊張もほぐれた。しっかり泳ぐオトリに野アユはすぐ反応。ギューンと強烈なアタリ。これを取り込み、上の荒瀬の空いた場所へ移動。大会開始から1時間半たっているのに、サラ場の入れ掛かり3連発や5連発も。瀬肩から絞り込まれた急瀬の消波ブロックの際で掛かったアユは、抜くのがためらわれる重量感。慎重に寄せてすくう。これは24センチ超えで「大物賞」をもらった。

 当日は高水のためか、荒瀬のシンがサオ抜けになっていたようだ。運良く元気な良型オトリを循環でき、サオ抜けを攻め切れた。同10時45分に納竿し大会本部で検量を受ける。結果は19匹でなんと優勝であった。

 大会後、同じエリアで午後1時からサオを出した。午前中よりも水位が下がっていたのでトロ瀬をナイロンで泳がせると、大会直後と思えないほど良型が掛かる。同4時までに15匹を追わせた。大会と合わせ合計34匹。その多くが18センチ以上だ。紀ノ川のアユは、ワイルドで迫力満点だった。【日刊FPC・根来正巳】

 【今後の見通し】これから9月末ごろまで型狙いと数狙いが本格的に楽しめそうだ。当日の競技の際にも、オトリもろとも仕掛けをぶち切られ、仕掛けを張り替えている人が何人か見受けられた。通常の仕掛けよりもひと回り頑丈な仕掛けを多めに用意して釣行されたい。

 【問い合わせ】紀ノ川漁業協同組合【電話】0736・66・9111。テレホンサービス【電話】同・66・9777。入川券は年券1万800円、日券3240円。

 【交通】阪和自動車道の和歌山北ICから国道24号で上流へ走り、粉河町の「竜門友釣専用区」へ。