エサ取り名人としてゲーム性が高く、食べてもおいしいカワハギを狙って13日、和歌山・湯浅栖原の「かるも丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で日ノ岬沖へ出た。早朝から風波が強い悪条件だったがビーズや集魚板など派手な仕掛で挑戦。午後1時ごろまでに、サオ頭の東卓也さん(門真市)は、底たたきのたるませ釣りで15~25センチを23匹ゲット。記者はアタリをとらえきれず21~24センチを7匹だったが、初期にしてはサイズが良く、真冬の最盛期に向け数、型とも期待大だ。

 今季のカワハギは初期から良型ぞろいだ。午前7時すぎ、日ノ岬沖に到着。風波が強い。岸寄りの水深約20~30メートルで底はカワハギ好みの岩礁帯のポイントに入った。右舷中央に入り蛍光色など派手なビーズや集魚板を付けた胴突き3本針仕掛けをセット。アサリのむき身をエサに佐藤船長の合図で流し釣りを開始した。

 オモリが着底すると底を数回たたき、根掛かりに注意しながらサオをシェイクする誘いを繰り返す。だが水温が高いせいか、エサ取りが活発で掛かるのはフグやベラばかり。

 そんな記者を尻目に左舷の東さんが好調だ。底をたたいてラインを少したるませる誘いで、21~25センチの良型を次々と針掛けさせて約1時間で10匹釣り上げた。

 同ヘ先の平山武さん(大阪市)も「今年は良型がそろっているね」と、同様の誘いで数をのばしている。また右舷前方ではカワハギ釣りは初めてという、奥代涼介さん(堺市)が「小アタリを合わせて掛けた瞬間が最高ですね」と、25センチのグッドサイズをゲット。笑みがこぼれる。

 同10時ごろ、エサ取りに苦戦、いまだ本命のアタリがない記者に対して、船長が「サオを振り回さず、底を2、3回ゆっくりたたく感じで誘って」と助言をくれた。その通りに誘ってみると、すぐに穂先を小さく揺らすアタリで底針に21センチがヒット。すると今までの不調がうそのように肝いりの24、22センチが連続ヒット。

 同11時すぎ、さあこれからだと思った矢先に潮が止まってしまい、アタリもパタリとなくなった。その後、白崎沖に移動したが、さらに風波が強くなり、なんとかポツリポツリと拾い釣りをしながら数を伸ばして、午後1時ごろに終了。

 サオ頭は東さんで15~25センチを23匹。記者は7匹だったが21~24センチとサイズには満足。ほかの4人も20センチ超の良型ぞろいに大満足の様子で沖を後にした。【中村和嗣】

 【今後の見通し】今季は小型が少なく20センチ超の良型が多い。水温が20度を切ってくると、活性が高くなり、真冬の最盛期にはキモパンの20~26センチが中心で、20~30匹が期待でき、尺級も狙える。

 【問い合わせ】かるも丸【電話】0737・62・3527。乗合船料金は1人1万円、エサ(アサリのむき身1パック)、氷付き、仕掛けは別。出船は午前6時ごろ。カワハギ釣りは、ほかに上野渡船【電話】0738・65・1222もある。

 【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。タクシーで約5分。車は阪和自動車道の有田ICを出て国道42号を南下。湯浅交差点の信号を右折。北橋を右折(かるも丸の看板あり)、道なりに進み栖原港へ。