正明船長はどうやら心配だったようだ。担当のタコボウズ記者に「11日、やりますか? 釣果がどうにも、こうにも」と電話してきたという。かなりの正直者だ。気に入った。

 ただ、サオを出したら、いやいやよく釣れた。オレは仕掛けを投入して3秒でアタリがきた。グイグイ引いてくる。あげると、平べったくて長方形の魚だ。これがナメタガレイか。表面は、ぬめっ、とする。この手のぬめりのある魚はうめぇんだ。間違いないな。

 仕掛けは、けっこうゴツい。ワイヤとパイプでつくった天ビンとハリスが一体化している。オモリは40号。ハリは丸セイゴ14号…なぜこんなにデカい? 答えはすぐに分かった。エサのアオイソメを縫い刺しにして、房掛けにするから、デカいハリだとエサ付けがしやすいんだ。

 着底したら底をトントンとノックする。ノブちゃんはアイナメとナメタガレイを釣り分けたようだ。何でも、アイナメはちょっと浮かして誘う。ナメタガレイはジッと動かずに持久戦に持ち込むといいと説明してくれた。

 愛知から7時間かけて車で来た3人「田中さん」「上州屋安城店の磯村店長」「磯釣り師・とく次郎」は、マダラやマガレイも含んで20匹以上は釣っていた。明神丸と同じ相馬港に停泊する「アンフィニー号」の佐藤信敬船長もオレの隣で、いろいろ教えてくれた。集魚板もさまざまだが、ハリのすぐ上のウニのような蛍光玉がいいようだ。面白い釣りだ。