夏の風物詩・アユのシーズン到来!

 今年も例年通り20日に静岡・興津川、24日は同・狩野川でアユ釣りが解禁になる。両河川が流出する駿河湾では今年、早い時季から多くの稚アユが見られ、天然もののソ上も期待できそうだ。日刊釣りペン・クラブの相吉孝顕さん(73)と同・水上勝義さん(63)が、両河川の近況をルポする。

 興津川では今年、天然アユのソ上が例年よりやや遅れた。それでも、3月中には梨ノ木エンテイを越える群れが確認され、この月に適量の雨があったことからソ上率は一挙にアップ。地元漁協では、昨年を上回る量になりそうだという。

 一方、稚アユの放流は、4月中に海産と人工産を合わせ、総合計約3200キロを完了。成育状況はよく、小島地区の「あこがれ亭」周辺で4月末、16センチ余りのものも目撃されている。

 実際、今月11日に地元漁協関係者らが行った試釣では、曇天で外気温や水温も低い悪条件下ながら、梨ノ木エンテイ下流から福山淵上流間で18・5センチの良型が掛かった。同周辺で数は合計35匹。中流域の高瀬出合いから丸淵下流間は合計38匹で、最大は17センチ。上流域の宮城エンテイしたから高瀬出合い上流間は34匹、最大は18センチ、全体では平均16センチ前後という内容だ。

 6月上旬に約800キロの追加放流を予定している。解禁当初は、これら放流アユが主体になるが、天然もののソ上もいいだけに、楽しみな年になりそうだ。

 ただ、釣り場で心配されるのが、工事地区の第2東名の橋と中部横断道の橋周辺に、既に工事は終わっているが、護岸工事が続いた矢崎橋上流地区だ。ポイントにもなる石が落ち着くまで様子を見たい。「あこがれ亭」によれば、下流域では新幹線鉄橋上下から承元寺エンテイまでの間、中流域は小島中から清地間が中心になりそうだ。

 ▽問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「あこがれ亭」(電話)0543・93・3814。日釣り券1200円、70歳以上と女性&中学生以下は半額(現場は購入500円増し)、年券6000円。宿泊も可能。

 ▽交通

 電車はJR東海道本線・興津駅からタクシー利用。マイカーの場合、東名高速・富士インターから海岸沿いの国道1号を静岡方面に走り、興津インターから国道52号に入り、小島地区「あこがれ亭」へ。